セラピストがやりがちな”押し売り接客”のNG例|ミライサロン

「お客様のために良かれと思って提案したのに、なぜか引かれてしまった…」「リピートしてほしいのに、次回の予約に繋がらない…」
もしあなたがそんな経験があるなら、もしかしたら「押し売り」とお客様に感じさせてしまっているかもしれません。私も経験があるから痛いほど気持ちが分かります。一生懸命やった結果がこれだと、本当に心が折れそうになりますよね。

セラピストにとって、お客様に満足していただくことは何よりも大切です。しかし、その「満足」の形を履き違えてしまうと、お客様は離れていってしまいます。特に、売上や指名数を意識しすぎるあまり、お客様の気持ちを置き去りにしてしまう接客は、結果的に自分の首を絞めることになりかねません。かつて私も、良かれと思ってお客様に提案し、結果的に失敗した経験が山ほどあります。

この記事では、私がセラピストとして10年以上現場で経験してきた中で見てきた、あるいは自分自身が陥ってしまった「押し売り接客」のNG例を具体的に解説します。そして、そこからどうすればお客様に本当に喜ばれ、結果として売上や指名数アップに繋がる「愛され接客」ができるようになるのか、具体的な解決策と行動まで落とし込んでお伝えします。もう二度と、お客様を不快にさせたり、次回の予約に繋がらないと悩む必要はありません。一緒に、お客様に心から感謝されるセラピストを目指しましょう。

目次

「良かれと思って」が招く悲劇:押し売り接客の典型パターン

セラピストは、お客様の悩みを解決したい、もっと良くなってほしいという純粋な気持ちで接客しています。それは素晴らしいことです。しかし、その気持ちが強すぎるあまり、お客様のニーズや状況を無視した提案をしてしまうと、途端に「押し売り」になってしまいます。お客様は敏感です。少しでも「売り込まれている」と感じると、心を閉ざしてしまいます。

私が経験した中での典型的な押し売り接客のNGパターンをいくつかご紹介しましょう。

お客様の言葉を遮って一方的に説明する

お客様が話している途中に「それはですね、こういう成分が入っているので…」とか「このコースだと、もっと効果が期待できますよ!」と、自分の知識や提案を優先してしまうパターンです。お客様は「自分の話を聞いてくれない」と感じ、不快感を覚えます。結果、お客様は「この人は私の話を聞く気がないな」と思い、心を開いてくれなくなります。私の経験上、こういった接客をしてしまうと、リピート率は平均して20%以下にまで落ち込みます。指名なんて夢のまた夢です。

必要以上に高額なコースや商品を勧める

お客様が疲れていると言っているのに、「この疲労には、このデトックスコースが一番効果的ですよ!今ならキャンペーンで〇〇円もお得です!」と、お客様の予算や希望を無視して、高額なコースを執拗に勧めるパターンです。お客様は「お金を巻き上げようとしている」と感じ、不信感を抱きます。私も昔、店長から「客単価を上げろ」と言われ、お客様の希望を無視して高額なコースを勧めてしまい、後で後悔した経験があります。そのお客様は二度と来店されませんでした。その時の私の月間指名数は5人程度で、平均単価も8,000円程度と低迷していました。

「今決めないと損ですよ」と焦らせる

「このキャンペーンは今日までなので、今すぐ決めないと損ですよ」「この商品は限定品なので、次はありませんよ」などと、お客様に考える時間を与えず、即決を迫るパターンです。お客様は「じっくり検討させてほしいのに」と感じ、焦りや不満を覚えます。特に、初めて来店されたお客様に対してこれをやってしまうと、「もう来たくない」と思われてしまいます。私も新人の頃、先輩から「クロージングは勢いが大事!」と教えられ、お客様を追い込んでしまい、お客様が露骨に嫌な顔をしたのを今でも覚えています。

効果を過剰に表現する、または嘘をつく

「この施術を受ければ、絶対に痩せます!」「たった1回でシミが完全に消えます!」など、実現不可能な効果を約束したり、誇張したりするパターンです。お客様は「そんなはずはない」と疑心暗鬼になり、もし効果が実感できなかった場合、失望感から二度と来店しなくなります。信頼関係は一度崩れると、修復するのは非常に困難です。私も若い頃、「このクリームを使えば、ニキビ跡が本当に薄くなりますよ!」と少し盛って話してしまい、後日お客様から「全然効果ないじゃない!」とクレームをいただいたことがあります。その時の売上は大幅に落ち込み、月収も20万円を切っていました。

お客様はなぜ離れていくのか?押し売りがもたらす深刻な影響

押し売り接客は、目先の売上には繋がるかもしれませんが、長期的にはセラピスト自身の評判、そしてお店全体の信頼を大きく損ねます。お客様は、単に施術を受けに来ているだけではありません。癒しを求め、心を開いて相談し、信頼できる関係性を築きたいと思っています。その期待を裏切られた時、お客様は静かに、しかし確実に離れていきます。

お客様の心理:「もうあの店には行きたくない」

押し売り接客を受けたお客様は、以下のような心理状態に陥ります。

  • 不信感:「このセラピストは、私のことを考えているのではなく、自分の売上のことしか考えていない」と感じます。
  • 不快感:「ゆっくり過ごしたいのに、常に何かを売り込まれている」と感じ、リラックスできません。
  • 後悔:「なぜあの時、断れなかったんだろう…」と、後で後悔する気持ちが生まれます。
  • 警戒心:次回以降、来店すること自体に抵抗を感じるようになります。

このような心理状態のお客様が、積極的にリピートしてくれるでしょうか?答えはNOです。私の経験上、押し売りと感じさせたお客様のリピート率は5%以下にまで落ち込みます。そして、SNSや口コミサイトで悪い評判を広められるリスクも高まります。一度ついた悪評は、なかなか消えません。

セラピスト自身の損失:指名激減、モチベーション低下

お客様が離れていくことは、セラピスト自身のキャリアにも深刻な影響を与えます。

  • 指名数・リピート率の低下:お客様が離れることで、当然指名数やリピート率が低下します。これは売上に直結し、月収が大きく下がる原因となります。私自身、押し売りが原因で指名が全く入らず、月収が15万円まで落ち込んだ時期がありました。
  • モチベーションの低下:お客様に喜んでもらえない、信頼してもらえないという状況は、セラピストとしてのやりがいを奪います。「私は何のためにこの仕事をしているんだろう…」と悩み、最悪の場合、離職に繋がることもあります。
  • 自己肯定感の低下:「自分はダメなセラピストだ」という自己否定の感情が芽生え、自信を失ってしまいます。

セラピストという仕事は、お客様からの「ありがとう」という言葉や、喜んでくれる姿が何よりの報酬です。それが得られない状況は、精神的にも非常に辛いものです。

サロン全体の損失:ブランドイメージの毀損、売上減少

一人のセラピストの押し売り接客は、サロン全体のブランドイメージにも影響を与えます。お客様は「あのサロンは押し売りがひどい」という印象を持ち、新規のお客様も減少します。結果として、サロン全体の売上が低迷し、経営に大きな打撃を与えることになります。

なぜ押し売りをしてしまうのか?セラピストの深層心理

誰もが最初から押し売りをしようと思って接客しているわけではありません。では、なぜ多くのセラピストが、知らず知らずのうちに押し売りをしてしまうのでしょうか。そこには、セラピストならではの葛藤やプレッシャーが隠されています。

「お客様のため」という善意が暴走する

「お客様にもっと良くなってほしい」「この施術が一番合っているはず」という、純粋な善意が強すぎるあまり、お客様の現状や希望を置き去りにしてしまうことがあります。自分の知識や経験が豊富であればあるほど、「この方が絶対に良い」という確信が強くなり、お客様の意見を聞き入れにくくなる傾向があります。私も経験がありますが、お客様の「いや、今日はそこまででいいです」という言葉を「遠慮しているだけだ」と勝手に解釈し、無理に勧めてしまったことがあります。

売上目標達成へのプレッシャー

サロンによっては、個人に売上目標や指名目標が課せられることがあります。目標達成へのプレッシャーから、「今日中に何とか売上を作らなければ」という焦りが生まれ、お客様の状況を無視してでも提案せざるを得ない状況に追い込まれることがあります。特に、月末や店長会議の前などは、このプレッシャーが強くなります。私もかつて、売上目標が未達で店長から詰められた経験があり、そこからお客様への提案が強引になってしまった時期がありました。その時の私のリピート率は40%台まで落ち込み、指名数も月10人程度で伸び悩んでいました。

知識不足、経験不足からくる不安

お客様に最適な提案をするためには、幅広い知識と経験が必要です。しかし、経験が浅いセラピストや、特定の施術・商品にしか知識がないセラピストは、自信のなさから、知っていること・売れるものを一方的に勧めてしまうことがあります。お客様からの質問にうまく答えられない、提案の引き出しが少ないといった不安が、結果的に押し売りのような接客に繋がってしまうのです。

コミュニケーション能力の不足

お客様のニーズを正確に引き出す傾聴力、お客様の気持ちに寄り添う共感力、そして自分の提案を押し付けがましくなく伝える表現力。これらコミュニケーション能力が不足していると、お客様との間に距離が生まれ、一方的な提案になってしまいがちです。お客様が「はい」と言ってくれても、それが本心からの「はい」なのか、それとも「もういいから早く終わらせてほしい」という「はい」なのかを見極めることができないと、押し売りになってしまいます。

お客様に「ありがとう」と言われる愛され接客の秘訣

押し売り接客から脱却し、お客様に心から「ありがとう」と言われるセラピストになるためには、いくつかの重要な秘訣があります。それは、小手先のテクニックではなく、お客様への深い理解と、日々の実践から培われるものです。

お客様の「声」に耳を傾ける:傾聴と共感の徹底

まず何よりも大切なのは、お客様の言葉に真摯に耳を傾けることです。お客様が何を求めているのか、どんな悩みを抱えているのか、どんな未来を望んでいるのか。それを正確に理解することから、すべてが始まります。

  • 質問の仕方:「今日はどこが気になりますか?」だけでなく、「普段の生活で、どんな時に辛さを感じますか?」「今日の施術で、どんな状態になりたいですか?」など、お客様の状況や感情に寄り添う質問を投げかけましょう。
  • 相槌と繰り返し:お客様の話を遮らず、適切な相槌を打ち、「〇〇ということですね」と内容を繰り返すことで、お客様は「私の話をきちんと聞いてくれている」と感じ、安心して話してくれます。
  • 共感の言葉:「それはお辛いですね」「よく分かります」といった共感の言葉を挟むことで、お客様は「このセラピストは私の気持ちを理解してくれる」と感じ、信頼関係が深まります。

私の経験では、この傾聴と共感を徹底するだけで、初回来店のお客様のリピート率が20%から50%以上に向上しました。お客様は、自分の話を真剣に聞いてくれるセラピストに、また会いたいと思うものです。

お客様の「未来」を共有する:ベネフィットの提示

お客様は、単に施術を受けに来ているのではありません。施術を受けることで得られる「未来」を求めています。その未来を、お客様と共有することが、愛され接客の重要なポイントです。

  • 「何ができるか」ではなく「どうなるか」:「このコースは〇〇という成分が入っていて…」といった成分の説明ではなく、「このコースを受けると、お肌がワントーン明るくなり、ファンデーションのノリも格段に良くなりますよ」といった、お客様が体験できる未来を具体的に伝えましょう。
  • 具体的なイメージ:「肩が軽くなると、お子さんを抱っこするのも楽になりますね」「疲れが取れると、週末のお出かけももっと楽しめますよ」など、お客様のライフスタイルに合わせた具体的なベネフィットを提示することで、お客様は「なるほど、それならやってみたい」と感じやすくなります。

お客様が「この施術を受けたら、こんな素敵な未来が待っているんだ」と想像できるような提案を心がけましょう。これにより、お客様の満足度は格段に上がり、次回の予約にも繋がりやすくなります。私の指名客単価は、ベネフィットを意識し始めてから、1.5倍の12,000円にまで上がりました。

お客様に「選択肢」を与える:押し付けない提案

お客様に選択肢を与えることは、お客様自身に決定権があることを示し、主体性を尊重することに繋がります。押し付けがましい印象を与えず、お客様が納得して選べる環境を作りましょう。

  • 複数の選択肢を提示:「今日の状態だと、AコースかBコースがお勧めですが、Aコースは短時間でスッキリしたい方向け、Bコースはじっくり全身をほぐしたい方向けです。どちらが今日の気分に合いますか?」など、複数の選択肢とその特徴を提示し、お客様に選んでもらいましょう。
  • 「もしよろしければ」のクッション言葉:提案をする際に、「もしよろしければ」「ご興味があれば」といったクッション言葉を使うことで、お客様は「断っても大丈夫」という安心感を得られます。
  • 断られても引きずらない:お客様が提案を断ったとしても、決して不機嫌な態度を見せないこと。「かしこまりました。また何か気になることがあれば、いつでもお声がけくださいね」と笑顔で対応することで、お客様は「このセラピストは信頼できる」と感じ、次回以降も相談しやすくなります。

お客様に「自分で選んだ」という満足感を与えることで、施術への満足度も高まります。私のサロンでは、この選択肢提示を徹底することで、店販商品の購入率が30%から60%にまで向上しました。

劇的ビフォーアフター!押し売りから愛されセラピストへ

私が指導してきたセラピストの中にも、最初は押し売りをしてしまい、悩んでいた人がたくさんいました。しかし、具体的な改善策を実践することで、お客様に愛されるセラピストへと大きく成長していきました。ここでは、そんな2人のセラピストの変化ストーリーをご紹介します。

ケーススタディ1:高額コースを連発していたAさんの変化

Aさんは、大手サロンに勤める入社3年目のセラピストでした。施術の腕は確かなのですが、店長からの「客単価を上げろ」というプレッシャーが強く、お客様に高額なコースや回数券を強く勧めてしまう傾向がありました。結果、指名数は月に10人程度で伸び悩み、リピート率も30%台と低迷していました。お客様からは「あの人はゴリ押しするから苦手」という声も聞かれるほどでした。

【Aさんの課題】

  • お客様のニーズよりも、売上目標を優先してしまう。
  • お客様の反応を読み取れず、一方的な提案になってしまう。
  • 断られることを恐れ、強引なクロージングをしてしまう。

私がAさんにまず伝えたのは、「お客様の言葉の裏にある『本当の悩み』を聞き出すこと」でした。そして、傾聴のスキルと、お客様の未来を具体的に想像させるベネフィットトークの練習を徹底しました。

例えば、お客様が「肩が凝る」と言ったときに、以前のAさんは「このコースなら、肩凝りに特化した施術なので、ぜひ!」とすぐにコースを勧めていました。しかし、改善後は、「肩が凝ると、どんな時に一番困りますか?」「普段の生活で、何か我慢していることはありますか?」と深掘りする質問をするように指導しました。

あるお客様が「肩凝りがひどくて、子供を抱っこしているとすぐ腕が痺れてくるんです」と話してくれた時、Aさんは「それは本当に辛いですね。お子さんとの大切な時間なのに、痛みで楽しめないのは悲しいですよね。もし肩が楽になったら、もっと笑顔で抱っこしてあげられますね」と共感し、その上で「この施術は、肩周りの筋肉を深部から緩めるので、痺れの根本原因にアプローチできます。施術後は、腕の軽さを実感できると思いますよ」と、お客様の未来を想像させる提案をしました。

この変化により、お客様は「私の悩みを本当に理解してくれている」と感じ、Aさんの提案を素直に受け入れてくれるようになりました。高額なコースを無理に勧めなくても、お客様自身が「それならやってみたい」と自ら選択するケースが増えたのです。

【Aさんの変化】
わずか3ヶ月で、Aさんの指名数は月に30人以上へと急増。リピート率も60%台にまで向上しました。客単価も自然と上がり、月収は以前の1.5倍、35万円を超えるようになりました。お客様からは「Aさんに会うと、いつも心が軽くなる」「私のことを一番分かってくれるセラピスト」という嬉しい声が聞かれるようになり、Aさん自身もセラピストとしてのやりがいを強く感じるようになりました。

ケーススタディ2:店販が全く売れなかったBさんの変化

Bさんは、個人サロンで働く経験5年のベテランセラピストでした。施術のスキルは非常に高いのですが、店販商品をお客様に勧めるのが苦手で、「押し売りになってしまうのではないか」という不安から、ほとんど提案していませんでした。そのため、店販による売上がほとんどなく、サロン全体の売上にも貢献できていないことに悩んでいました。月の店販売上は平均で5,000円程度でした。

【Bさんの課題】

  • 店販商品を勧めることに抵抗がある。
  • 商品の説明ばかりで、お客様のメリットを伝えられていない。
  • お客様に断られることを恐れている。

Bさんには、「店販は、お客様の悩みを施術後もサポートするための『ツール』である」という考え方を伝えました。そして、お客様の悩みに寄り添い、その悩みを解決するための手段として商品を提案する「ソリューション提案」の練習を徹底しました。

例えば、乾燥肌で悩むお客様に対して、以前のBさんは「この美容液は〇〇成分が入っていて…」と商品の説明をして終わっていました。しかし、改善後は、施術中にお客様の肌の状態を丁寧に観察し、「お肌が乾燥していると、せっかく施術で栄養を入れても、すぐに逃げてしまいやすいんです。せっかく綺麗になったお肌を長くキープするために、ご自宅でも保湿ケアを強化してみませんか?」と、お客様の悩みに紐付けて提案するようにしました。

さらに、「この美容液は、とろみがあるのにベタつかず、お風呂上がりにサッと塗るだけでも、翌朝のお肌のしっとり感が全然違いますよ。私も愛用しているのですが、本当に手放せません」と、セラピスト自身の体験談も交えながら、商品のベネフィットを具体的に伝えました。そして、「もしご興味があれば、今お試しで少量お渡しできますので、お肌に合うか試してみてくださいね」と、お客様に選択肢と安心感を与えました。

【Bさんの変化】
Bさんの店販売上は、わずか2ヶ月で月5万円を超えるまでに激増しました。お客様からは「Bさんが勧めてくれた商品は、本当に良くて助かっています」「無理に勧めないから、安心して相談できる」といった声が寄せられるようになりました。Bさん自身も、お客様に喜んでもらえたことで自信がつき、積極的に店販提案ができるようになりました。結果として、Bさんの月収も以前より8万円アップし、安定した収入を得られるようになりました。

もう悩まない!お客様に愛されるセラピストになるための実践ワーク

押し売り接客から脱却し、お客様に愛されるセラピストになるためには、具体的な実践が必要です。ここでは、今日からでも始められる実践ワークをご紹介します。ぜひ、一つずつ取り組んでみてください。

ワーク1:お客様の「悩み」と「理想の未来」を深掘りする質問リスト作成

お客様の本当のニーズを理解するためには、質の高い質問が不可欠です。お客様の言葉の裏にある感情や願望を引き出す質問リストを作成しましょう。

  • 現状の悩みに関する質問:
    • 「今日一番気になるのは、どのような症状ですか?」
    • 「その症状は、いつ頃から気になり始めましたか?」
    • 「その症状があると、普段の生活でどんな時に困りますか?」
    • 「これまでに、何か対策はされましたか?その結果はどうでしたか?」
  • 理想の未来に関する質問:
    • 「今日の施術で、どんな状態になりたいですか?」
    • 「もしその悩みが解決したら、どんなことができるようになりますか?」
    • 「どんな自分になって、どんな毎日を送りたいですか?」
    • 「もし理想の状態になれたら、どんな気持ちになりますか?」

これらの質問を、カウンセリングシートや口頭でのヒアリングに取り入れてみましょう。お客様が話してくれた内容をメモし、施術後の提案に活かしてください。このリストを常に更新し、自分なりの質問パターンを確立していくことが重要です。

ワーク2:施術・商品の「ベネフィット」を言語化する練習

あなたが提供する施術や商品が、お客様にとってどんな「良い未来」をもたらすのかを具体的に言語化する練習をしましょう。単なる特徴説明ではなく、感情に訴えかける表現を意識します。

  • 施術のベネフィット:
    • (例:肩こり改善コース)「肩が軽くなることで、長時間デスクワークをしても疲れにくくなり、仕事のパフォーマンスが上がります。週末には、お子さんと公園で思いっきり遊べるようになりますよ。」
    • (例:フェイシャルコース)「お肌のトーンがアップし、化粧ノリが格段に良くなるので、朝のメイク時間が楽しくなります。自信を持って人と会えるようになりますよ。」
  • 商品のベネフィット:
    • (例:保湿クリーム)「お風呂上がりにこのクリームを塗るだけで、翌朝までしっとり感が持続します。乾燥による小じわが目立ちにくくなり、触りたくなるようなモチモチ肌になりますよ。」
    • (例:ハーブティー)「寝る前にこのハーブティーを飲むと、心身ともにリラックスでき、深い眠りにつけます。翌朝は目覚めがスッキリして、一日を気持ちよくスタートできますよ。」

各施術や商品について、最低3つのベネフィットを書き出してみてください。そして、それを実際に声に出して練習し、スムーズに言えるようにしましょう。

ワーク3:ロールプレイングで「断られる練習」をする

お客様に提案を断られることへの恐怖心を克服するためには、実際に断られる経験を積むことが有効です。同僚や友人とロールプレイングを行い、「断られる練習」をしましょう。

  • 役割分担:一人がセラピスト役、もう一人がお客様役となり、お客様役は意図的に提案を断るようにします。
  • 断られた時の対応:セラピスト役は、断られた時に「かしこまりました。また何か気になることがあれば、いつでもお声がけくださいね」といったポジティブな返答を練習します。不機嫌な態度を取らない、無理に引き止めない、といった点を意識しましょう。
  • フィードバック:ロールプレイング後、お客様役から「どんな時に押し売りだと感じたか」「どんな提案なら受け入れやすかったか」などのフィードバックをもらい、改善点を見つけます。

この練習を繰り返すことで、断られることへの抵抗感が薄れ、お客様に寄り添った提案ができるようになります。断られても笑顔でいられるセラピストは、お客様から信頼されやすくなります。

お客様との信頼関係を築くための長期的な視点

お客様に愛されるセラピストになるためには、短期的な売上だけでなく、長期的な視点でお客様との信頼関係を築くことが不可欠です。一度築かれた信頼は、何物にも代えがたい財産となります。

お客様の「専属アドバイザー」になる

お客様にとって、あなたは単なる施術者ではありません。美や健康に関する悩みに対して、いつでも相談できる「専属のアドバイザー」となることを目指しましょう。施術中だけでなく、日頃からお客様のライフスタイルや変化に気を配り、必要であれば適切なアドバイスを提供します。例えば、お客様が「最近、寝つきが悪くて」と話したら、「〇〇というアロマオイルがリラックス効果があるので、試してみてはいかがですか?」といった情報提供をしてみるのも良いでしょう。施術以外の部分でもお客様をサポートすることで、より深い信頼関係が生まれます。

お客様の「変化」を一緒に喜ぶ

お客様が施術や商品によって良い変化を実感した時、その喜びを一緒に分かち合いましょう。「お肌の調子が良くなりましたね!」「以前より肩が柔らかくなりましたよ!」と具体的に変化を伝えることで、お客様は自分の変化を再認識し、施術の効果をより強く実感できます。そして、「このセラピストは、私のことをちゃんと見てくれている」と感じ、満足度が高まります。

お客様の「声」を次のサービスに活かす

お客様からのフィードバックは、あなたの成長にとって非常に貴重な情報源です。良い点も改善点も真摯に受け止め、次のサービス向上に活かしましょう。「〇〇様からのご意見を参考に、新しいコースを開発しました!」といった形で、お客様の声が反映されていることを伝えることで、お客様は「自分の意見が大切にされている」と感じ、より一層サロンへの愛着が深まります。

今すぐできる3つの一歩

1. 今日の接客で、お客様の「本当の悩み」を引き出せる質問を最低一つ追加してみましょう。「今日はどこが気になりますか?」だけでなく、「その悩みが解決したら、どんなことができるようになりますか?」など、未来に焦点を当てた質問を試してみてください。

2. あなたが担当しているお客様の中で、次回の予約に繋がらなかったお客様を3人思い浮かべてください。そのお客様に対して、もし今からもう一度接客できるとしたら、どんな言葉で「ベネフィット」を伝えますか?具体的に書き出してみましょう。

3. ロールプレイングで、同僚や友人に「このコースは高いからいらない」と断られる練習をしてみてください。その時、あなたがどんな表情で、どんな言葉を返すか、鏡の前で練習してみましょう。笑顔で「かしこまりました」と言えるようになるまで、何度も繰り返してください。

押し売り接客は、お客様を遠ざけ、セラピスト自身の自信を失わせる原因になります。しかし、お客様の心に寄り添い、真摯に向き合うことで、必ず「ありがとう」と言われる愛されセラピストになれます。今日から、この一歩を踏み出してみませんか?あなたの未来は、あなたの行動で変えられます。応援しています!

皐月 未来
私自身、セラピストとして駆け出しの頃は、売上目標に追われ、お客様に無理な提案をしてしまった経験が山ほどあります。お客様に嫌な顔をされたり、二度と来店されなかったりするたびに、本当に落ち込みました。でも、そこから「どうすればお客様に心から喜んでもらえるか」を真剣に考え、試行錯誤を繰り返しました。お客様の笑顔と「ありがとう」の言葉が、私の原動力です。この記事が、かつての私のように悩んでいるセラピストさんの「気づき」と「行動」のきっかけになれば嬉しいです。大丈夫、あなたは一人じゃない。一緒に頑張りましょう!
よかったらシェアして下さい!
  • URLをコピーしました!
目次