こんにちは、リラクゼーションセラピストの皐月未来です。
「お客様に喜んでもらいたい」「もっと指名やリピートを増やしたい」そう思って日々頑張っているセラピストさんは多いと思います。
でも、施術スキルを磨くだけでは、なかなかリピートに繋がらないと感じたことはありませんか?
私もかつては「技術さえあればお客様はついてくる」と信じて、ひたすら練習していました。でも、現実は厳しかった。
月間の指名が5人前後で、リピート率も30%を切るような時期が続き、正直「私には向いていないのかも…」と落ち込んだこともあります。
そんな私が、指名月80人以上、リピート率70%超えを安定して達成できるようになったのは、ある「深さ」を意識したヒアリングに切り替えてからです。
今回は、私が実践してきたリピートに繋がるヒアリングの「深さ」について、具体的な方法と、なぜそれがお客様の心を掴むのかを、私の経験と失敗談を交えながらお話ししていきます。
「良いヒアリング」で終わってない?お客様が本当に求めていること
多くのセラピストさんが、ヒアリングの重要性は理解していると思います。
「今日はどんなお疲れですか?」「どこを重点的にやりますか?」
こういった質問は、施術の方向性を決める上でとても大切ですよね。
でも、そこで終わっていませんか?
正直に言ってしまうと、その程度のヒアリングは「良いヒアリング」ではあっても、「リピートに繋がるヒアリング」ではないんです。
お客様は、ただ体の疲れを取りたいだけではありません。
もちろん、それも大きな目的の一つですが、それだけならどのサロンに行っても、ある程度の満足は得られます。
お客様が本当に求めているのは、「自分を理解してくれる人」「自分の悩みに寄り添ってくれる人」との出会いです。
そして、その「理解」や「寄り添い」を最も表現できるのが、ヒアリングなんです。
私は以前、お客様が何を求めているのか、表面的なニーズしか捉えられていませんでした。
「肩が凝っている」と言われれば肩を重点的に施術し、「腰が痛い」と言われれば腰を丁寧にほぐす。
それで「気持ちよかった」と言っていただければ満足していました。
でも、施術後のアンケートを見ると、「また利用したい」の項目にチェックが入らないことが多かったんです。
なぜだろう?と悩んだ結果、気づいたのは「お客様の言葉の奥にある真のニーズ」に全く目を向けていなかったことでした。
例えば、「肩が凝っている」というお客様の言葉の裏には、「仕事のストレスでずっと緊張している」「子育てで抱っこが多くて慢性的に疲れている」「最近寝不足で体が重い」など、様々な背景があるはずです。
その背景まで探り当てて初めて、お客様は「この人は私のことを深く理解してくれている」と感じ、信頼を寄せてくれるようになります。
表面的な情報を深掘りする「質問の技術」
では、どうすればお客様の真のニーズを深掘りできるのでしょうか?
それは、「質問の技術」に尽きます。
単に「お辛いところはどこですか?」と聞くだけでなく、そこからさらに掘り下げる質問を重ねていくことが重要です。
私が実践している具体的な質問のステップをご紹介します。
ステップ1:具体的な症状を聞く
まずは、お客様が最も訴えたい症状を具体的に聞きます。
「今日は特に、どのあたりがお辛いですか?」
「どんな時にその症状を感じますか?」
「痛みやだるさ、重さなど、どんな感覚ですか?」
ここでは、お客様が話しやすいように、選択肢を提示したり、具体的な例を挙げたりすると良いでしょう。
例えば、「座っている時、立っている時、どちらが辛いですか?」などです。
ステップ2:原因や背景を探る
次に、その症状の原因や背景を探ります。
ここが「深掘り」の肝です。
「その症状、最近何か変わったことありましたか?お仕事の内容とか、生活習慣とか…」
「普段、どんな姿勢でいることが多いですか?」
「ストレスを感じることはありますか?もし差し支えなければ…」
お客様が話しづらそうであれば、「もしよろしければ、お聞かせください」と、無理強いしない姿勢を見せることも大切です。
ここで大切なのは、「なぜ?」と詰問するのではなく、「もし何か思い当たることがあれば」というスタンスで、あくまでお客様の言葉を待つことです。
例えば、「肩こりがひどくて…」というお客様に、「お仕事でパソコンをよく使われますか?」と聞くと、「はい、一日中デスクワークで…」と返ってくることがあります。
さらに、「休憩は取れていますか?」「目の疲れも感じますか?」と続けていくと、単なる肩こりではなく、目の酷使や運動不足、ストレスが複合的に絡んでいることが見えてきます。
ステップ3:理想の状態やゴールを共有する
最後に、お客様が施術を通してどうなりたいのか、理想の状態やゴールを共有します。
「施術が終わった後、どんな状態になっていたら嬉しいですか?」
「この辛さがなくなったら、どんなことができるようになりますか?」
「今後、どんな風にご自身の体と向き合っていきたいですか?」
この質問によって、お客様は施術後の具体的なイメージを持つことができ、私たちセラピストも、お客様の「なりたい姿」を共有することで、よりパーソナルな施術計画を立てることができます。
例えば、「肩こりがなくなったら、趣味のゴルフをもっと楽しめるようになりたい」というお客様には、肩周りの筋肉だけでなく、ゴルフに必要な体幹の柔軟性なども意識した施術やアドバイスができるようになります。
この3ステップを意識することで、お客様との会話が単なる情報収集ではなく、信頼関係を築くための大切な時間へと変わっていきます。
お客様の心を開く「共感」と「傾聴」
質問の技術と同じくらい大切なのが、「共感」と「傾聴」です。
どんなに優れた質問をしても、お客様が「この人は私の話を聞いてくれている」と感じなければ、心を開いて本音を話してくれることはありません。
私が以前、指名が伸び悩んでいた頃は、お客様の話をただ聞いているだけで、心ここにあらず、という状態でした。
「早く施術に入りたい」「次の予約の時間がある」そんな気持ちが先行して、お客様の言葉の表面しか捉えられていなかったんです。
それでは、お客様が安心して話せるはずがありませんよね。
私が意識的に変えたのは、以下の点です。
- アイコンタクト:お客様の目を見て、真剣に話を聞く姿勢を示す。
- 相槌やうなずき:適度な相槌やうなずきで、「聞いていますよ」というサインを送る。
- 感情の言葉を繰り返す:「それはお辛かったですね」「大変でしたね」など、お客様の感情に寄り添う言葉を返す。
- 沈黙を恐れない:お客様が言葉を探している時や、考え込んでいる時に、焦って次の質問をしない。沈黙もコミュニケーションの一部と捉える。
- メモを取る:お客様が話してくれた内容をメモすることで、「あなたの話を大切にしています」というメッセージを伝える。特に、家族構成や趣味、仕事内容など、次回の来店時に役立つパーソナルな情報は必ずメモしていました。
これらの行動を通じて、お客様は「このセラピストは私のことを真剣に考えてくれている」と感じてくれるようになります。
私自身、この「共感」と「傾聴」を意識するようになってから、お客様から「こんなことまで話したのは初めて」「なんだか安心する」といった言葉をいただくことが増えました。
それが、お客様との信頼関係を深め、リピートに繋がる大きな要因になったと確信しています。
変化ストーリー:ヒアリングで「お客様の人生」に寄り添う
ここで、私が実際にヒアリングを深掘りすることで、お客様との関係性がどう変化し、リピートに繋がったのか、具体的なケースをご紹介します。
ケース1:Aさん(40代女性・会社員)の場合
Aさんは、いつも「肩と首が凝っている」と訴えて来店される方でした。
以前の私なら、言われた通り肩と首を重点的に施術し、「ああ、今日も気持ちよかった」で終わっていました。
しかし、ヒアリングを深掘りするようになってから、Aさんへの接し方を変えました。
「肩と首の凝り、どんな時に特に感じますか?」と聞くと、「仕事でパソコンに向かっている時間が長いとひどくなります。特に締め切り前はもうガチガチで…」と話してくれました。
そこで、「お仕事、大変なんですね。締め切り前は特にストレスも溜まりませんか?」と共感を示し、さらに「普段、休憩中に体を動かしたり、リラックスできる時間はありますか?」と尋ねました。
すると、Aさんは「実は、最近プロジェクトの責任者になって、プレッシャーがすごくて。家でも仕事のことばかり考えてしまって、ゆっくり休めてないんです。マッサージに来る時が唯一の息抜きで…」と、本音を打ち明けてくれました。
私は、Aさんの肩こりが単なる筋肉疲労ではなく、仕事のストレスやプレッシャーからくる心身の緊張であることを理解しました。
施術では、肩や首だけでなく、自律神経のバランスを整えるような背中や頭部へのアプローチも加え、「心と体の両方からリラックスできる」施術を心がけました。
施術後には、「お仕事、本当にお疲れ様です。頑張りすぎずに、ご自身の心と体の声も聞いてあげてくださいね」と、ねぎらいの言葉をかけ、簡単なストレッチや呼吸法のアドバイスもしました。
Aさんは、「まさか、ここまで私の話を聞いてくれる人がいるなんて…」と涙ぐんで喜んでくれました。
それ以来、Aさんは毎月必ず私を指名してくださるようになり、リピート率は100%を維持しています。
「未来さんの施術は、体だけじゃなくて心も軽くなるのよ」と、他のスタッフにも話してくださっているそうです。
Aさんの月間平均施術単価は8,000円でしたが、指名が増えたことで私の月収は以前より約5万円アップしました。
ケース2:Bさん(30代男性・自営業)の場合
Bさんは、腰痛で来店されることが多かったお客様です。
初回は「腰が痛い」という情報だけで施術に入ってしまいましたが、リピートには繋がりませんでした。
2回目の来店時に、意識的にヒアリングを深掘りしました。
「腰痛、どんな時に感じますか?」と聞くと、「朝起きる時と、長時間座っている時が特に辛いです」とのこと。
「お仕事で座っている時間が長いですか?」と尋ねると、「はい、一日中パソコン作業で。最近、新しい事業を立ち上げたばかりで、休みなく働いているんです」と教えてくれました。
私は「新しい事業、素晴らしいですね!でも、無理は禁物ですよ」と応援の気持ちを伝えつつ、「腰痛がなくなったら、どんなことができるようになりますか?」と理想の状態を尋ねました。
Bさんは「腰痛がなくなれば、もっと集中して仕事に取り組めるし、週末は家族と公園で思いっきり遊んであげたい」と話してくれました。
この時、Bさんの腰痛は、仕事の忙しさからくる姿勢の悪さや疲労蓄積だけでなく、「家族との時間を大切にしたい」という強い思いと深く繋がっていることに気づきました。
施術では、腰だけでなく、体幹を支えるお腹周りの筋肉や股関節の柔軟性にもアプローチし、日常生活でできる簡単な姿勢改善のアドバイスも行いました。
特に、「家族と公園で遊ぶ」というBさんの目標を共有し、「腰痛が改善すれば、お子さんを抱っこしたり、一緒に走り回ったりも楽になりますよ」と、モチベーションを高める言葉をかけ続けました。
Bさんは、私の言葉に「そうなんだよ!それが一番の目標なんだ!」と共感してくれ、それ以来、2週間に1度のペースで定期的に来店されるようになりました。
今では腰痛もかなり改善し、「おかげさまで、最近は公園で子供とサッカーができるようになりました!」と、嬉しそうに報告してくれます。
Bさんのリピート率は80%を超え、私を指名してくれることで、私の月間指名数は約10人増加し、月収も以前より約3万円アップしました。
この2つのケースからわかるように、お客様の言葉の奥にある「人生」や「価値観」に触れることで、単なる「施術者とお客様」という関係を超え、「人と人」としての深い信頼関係が生まれます。
それが結果的に、高いリピート率と指名に繋がるんです。
ヒアリングを深掘りする上での注意点と落とし穴
ヒアリングを深掘りすることは非常に有効ですが、いくつか注意点があります。
一歩間違えると、お客様に不快感を与えてしまったり、逆効果になってしまうこともあるので、私の失敗談も交えながらお伝えします。
1. 尋問にならないようにする
「なぜ?」「どうして?」と畳み掛けるような質問は、お客様を尋問しているように感じさせてしまいます。
以前の私は、「もっと情報を引き出さなければ」と焦るあまり、お客様が答える間もなく次の質問をしてしまうことがありました。
結果、お客様は口を閉ざしてしまい、全く心を開いてくれませんでした。
質問はあくまで、お客様が話したいことを引き出すための「きっかけ」です。
お客様のペースに合わせて、ゆっくりと、そして優しく問いかける姿勢が大切です。
2. プライベートに踏み込みすぎない
お客様の背景を知ることは重要ですが、プライベートな領域に無理に踏み込むのはNGです。
例えば、結婚や家族構成、収入など、お客様が話したがらない話題には触れないようにしましょう。
私も以前、「お休みの日はご家族で過ごされるんですか?」と何気なく聞いたところ、お客様が少し困った顔をされた経験があります。
後で考えると、そのお客様は独身だったり、家族関係に複雑な事情があったりする可能性もあるわけで、不用意な質問だったと反省しました。
あくまでお客様が話してくれる範囲で、そして「もし差し支えなければ」というクッション言葉を使いながら、丁寧に進めることが重要です。
3. アドバイスの押し付けはしない
お客様の悩みを深く理解すると、「こうすれば良いのに!」とアドバイスしたくなる気持ちが湧いてきます。
しかし、お客様はアドバイスを求めているとは限りません。
むしろ、「ただ話を聞いてほしい」「共感してほしい」と思っていることの方が多いです。
私も以前、お客様の生活習慣の乱れからくる不調に対し、「もっと運動した方が良いですよ」「食生活を見直すべきです」と、良かれと思って具体的なアドバイスを連発してしまったことがあります。
結果、お客様は「わかってるけど、それができないから困ってるんだよ…」という表情になり、気まずい空気が流れてしまいました。
アドバイスをする場合は、お客様が「何か良い方法はありませんか?」と求めてきた時や、あくまで「もしよろしければ、こんな方法もありますよ」と提案する形に留めましょう。
そして、そのアドバイスがお客様の「なりたい姿」に繋がるものであることを明確に伝えることが大切です。
4. 施術中もヒアリングを続ける
ヒアリングは、カウンセリングの時間だけで終わるものではありません。
施術中もお客様の体の反応や、会話の端々から情報を得ることができます。
「ここ、触られると気持ちいいですか?」「今、どんな感じがしますか?」といった施術に関する質問はもちろん、「最近、何か良いことありましたか?」「お仕事、落ち着きましたか?」など、お客様が話してくれた内容に関連する質問を軽く投げかけることで、さらに信頼関係を深めることができます。
ただし、施術中はリラックスしてほしい時間なので、お客様が集中して話したい時以外は、会話を控えめにし、心地よい沈黙を保つことも大切です。
リピートは「顧客満足」ではなく「顧客感動」から生まれる
ここまでお話ししてきた「深掘りヒアリング」は、単なる情報収集ではありません。
お客様の心に寄り添い、真のニーズを理解し、その人ならではの「なりたい姿」を共有するプロセスです。
このプロセスを通じて、お客様は「自分を深く理解してくれた」「自分のために考えてくれた」と感じ、深い感動を覚えます。
顧客満足は、期待通りのサービスを提供することで生まれます。
しかし、リピート、特に指名リピートは、期待を超える「顧客感動」から生まれるものです。
「このセラピストにしか話せない」「このセラピストにしかできない施術がある」
そうお客様に感じてもらえるかどうかが、リピート率70%以上の指名セラピストになれるかどうかの分かれ道です。
私の経験上、月間指名数が5人前後だった頃は、お客様の表面的な満足度しか意識していませんでした。
しかし、ヒアリングを深掘りし、お客様一人ひとりの「人生」に寄り添うことを意識し始めてから、指名数が80人を超えるまでになりました。
リピート率も30%台から70%台へと大幅に向上し、それに伴い月収も20万円以上アップしました。
これは、お客様が「このセラピストには、私の体を任せられる」という信頼感だけでなく、「このセラピストに会うと、心まで癒される」という感動を覚えてくれた結果だと信じています。
ぜひ、皆さんも今日から「顧客満足」のその先にある「顧客感動」を目指して、ヒアリングの「深さ」を追求してみてください。
今すぐできる3つの一歩
「よし、私も明日からやってみよう!」そう思ってくれたあなたに、今すぐできる具体的な3つの行動をお伝えします。
- 今日のヒアリングを振り返る:今日、あなたがお客様にしたヒアリングで、どこまで深掘りできていたか、振り返ってみてください。「なぜこのお客様は、この症状を訴えているのだろう?」と、言葉の奥にある背景を想像する練習をしてみましょう。
- 質問リストを作る:今回紹介した「具体的な症状」「原因・背景」「理想の状態」の3ステップに沿って、ご自身で質問リストを作ってみましょう。特に、お客様の「なりたい姿」を引き出す質問は、最初は難しいかもしれませんが、いくつかパターンを考えておくことで、いざという時に役立ちます。
- 「共感の言葉」を意識する:「お辛かったですね」「大変でしたね」「よく頑張りましたね」など、お客様の感情に寄り添う言葉を、意識的に使ってみてください。最初はぎこちなくても、繰り返すうちに自然と口から出るようになります。
この小さな一歩が、お客様との関係性を深め、あなたのセラピストとしての未来を大きく変えるきっかけになるはずです。
私もまだまだ学びの途中ですが、一緒に頑張っていきましょう!
皐月 未来