お客様が満足しない施術の共通点|ミライサロン

「お客様、今日の施術はいかがでしたか?」と尋ねた時、「ええ、気持ちよかったです」と笑顔で答えてくれたのに、なぜか次の予約が入らない。私もセラピストになりたての頃、こんな経験ばかりでした。一生懸命施術したつもりなのに、なぜかお客様が離れていく。指名も増えず、月収も20万円前後で頭打ち。毎日「何が足りないんだろう」と悶々としていました。もしかしたら、あなたも同じような悩みを抱えているかもしれませんね。

目次

「気持ちよかった」がリピートに繋がらない落とし穴

多くのお客様は、施術後に「気持ちよかった」と答えてくれます。これは社交辞令も含まれていることが多いんです。心から満足していれば、その場で次回の予約を取ったり、少なくとも「また来ますね」という具体的な言葉が返ってくるはず。しかし、「気持ちよかった」だけで終わってしまう場合、お客様の心には「また来たい」という強い動機が生まれていない証拠です。

私自身、経験が浅かった頃は、お客様から「気持ちよかった」と言われると、それで満足してしまっていました。でも、指名のお客様は一向に増えず、月間指名数も10人を超えることは稀でした。リピート率も30%を切ることも珍しくなく、このままではセラピストとして食べていけないと危機感を覚えました。

では、なぜお客様は「気持ちよかった」と言いつつも、リピートしないのでしょうか?そこには、お客様が本当に求めている「満足」と、私たちが提供している「気持ちよさ」の間に大きなギャップがあるんです。

「良い施術」と「満足する施術」は違う

「良い施術」とは、技術的に優れていて、身体が楽になる、気持ち良いと感じる施術のこと。これはセラピストとしての基本であり、大前提です。しかし、「お客様が満足する施術」というのは、それだけでは足りません。お客様が抱える悩みや期待を理解し、それに対して明確な価値を提供できたときに初めて「満足」が生まれます。

例えば、肩こりがひどくて来店したお客様がいたとします。あなたは一生懸命、肩周りをほぐし、「ああ、楽になった」と言ってもらえた。これは「良い施術」です。でも、お客様が本当に求めていたのは、その日の肩こりを解消することだけでなく、「翌日も肩が軽い状態が続くこと」や「肩こりの根本原因を知ること」だったとしたらどうでしょう?その期待に応えられていなければ、お客様は「一時的には楽になったけど、またすぐに元に戻るなら、次もここじゃなくてもいいか」と感じてしまうかもしれません。

お客様が満足しない施術の共通点と具体例

私がこれまでの経験で見てきた「お客様が満足しない施術」には、いくつかの共通点があります。これらは技術的な問題だけでなく、お客様とのコミュニケーションや、セラピスト自身の意識に関わる部分が大きいんです。

1. お客様の「本当の悩み」を聞き出せていない

カウンセリングで「どこが気になりますか?」と聞いて「肩こりがひどくて」と答えが返ってきたら、そのまま肩を重点的に施術する。これはよくあるパターンですが、これだけでは表面的な問題にしかアプローチできていません。

お客様の「本当の悩み」とは、「肩こりがひどくて、夜中に目が覚めてしまう」「肩こりのせいで仕事に集中できない」「肩こりが原因で、気分が落ち込みやすい」といった、その不調がお客様の生活にどう影響しているかという部分です。

具体例:Aさんのケース

Aさんは、大手サロンに勤務していた頃の後輩セラピストでした。彼女は技術も高く、お客様からも「気持ちいい」と好評でしたが、指名のお客様が伸び悩んでいました。月間指名数は平均15人、リピート率は40%程度で、同期の中でも中堅レベルでした。

ある日、Aさんのカウンセリングを聞いていると、お客様が「最近、寝つきが悪くて…」と話したのに対し、Aさんは「そうですか、お辛いですね」と共感はするものの、すぐに「今日はどこを重点的に施術しましょうか?」と施術部位の確認に移ってしまいました。

私がAさんにアドバイスしたのは、「その寝つきの悪さが、お客様の生活にどう影響しているのか、もう少し深く聞いてみてごらん」ということでした。例えば、「寝つきが悪いと、日中どんな影響が出ますか?」「何か原因に心当たりはありますか?」といった質問です。

Aさんは半信半疑で実践しました。すると、あるお客様が「寝つきが悪くて、朝起きても疲れが取れないんです。子どものお弁当を作るのも億劫で、家族に申し訳なくて…」と、本当の悩みを打ち明けてくれたそうです。Aさんは、そのお客様の「家族のために元気になりたい」という気持ちに寄り添い、自律神経を整えるような施術や、家でできる簡単なストレッチ、入浴方法などを提案しました。

結果として、そのお客様は「ただ身体が楽になっただけでなく、気持ちまで軽くなった」と大満足。その後、定期的に来店するようになり、Aさんの月間指名数は半年で25人まで増加し、リピート率も60%を超えるようになりました。

2. 施術の「目的」がお客様と共有できていない

セラピストは、お客様の身体の状態を見て「ここをこうすれば良くなるだろう」と施術の組み立てを考えます。しかし、その「目的」をお客様と共有できていないと、お客様は何のためにその施術を受けているのかが分からず、ただ「気持ちいい」だけで終わってしまいます。

例えば、腰痛のお客様に、背中の張りが原因だと判断して背中を重点的に施術したとします。施術後、「腰が楽になりました」と言われても、お客様は「なぜ腰が楽になったのか」を理解していません。これでは、次回の来店動機には繋がりません。

具体的な行動:

  • 施術前に「今日は特にこの部分にアプローチして、腰の負担を軽減していきますね」と明確に伝える。
  • 施術中に「今、〇〇の筋肉を緩めているので、腰の緊張が取れてきますよ」と、やっていることの意味を伝える。
  • 施術後に「今回の腰痛は、背中の張りが原因でした。背中が緩んだことで、腰への負担が減りましたね」と、施術効果の理由を説明する。

3. 施術後の「未来」を具体的に提示できていない

お客様は、施術を受けて「今」楽になるだけでなく、「この状態が続いてほしい」「もっと良くなりたい」という未来への期待を抱いています。その期待に応える、あるいは上回る提案ができていないと、満足度は上がりません。

「今日はここまで楽になりましたね。この状態を維持するために、次回は〇〇の施術で、さらに根本的な改善を目指しましょう」といった具体的な次へのステップを提示することが重要です。

具体例:Bさんのケース

Bさんは、個人サロンを経営しているベテランセラピストです。彼女の技術は申し分なく、お客様からの評価も高かったのですが、リピート率が70%前後で頭打ちになっていました。月収も安定していましたが、さらに伸ばしたいという思いがありました。

彼女の施術後の説明を聞くと、「今日は全体的にかなりお疲れでしたね。またお辛くなる前にいらしてください」といった、少し抽象的な声かけが多かったんです。

そこで私は、「お客様の『未来のなりたい姿』を具体的に想像させ、そこに繋がる提案をしてみてはどうか」とアドバイスしました。

例えば、ひどい肩こりで来店したお客様に対して、施術後に「今日は肩甲骨周りの硬さが特に目立ちました。この硬さが取れると、もっと腕が上がりやすくなって、趣味のテニスも快適にできるようになりますよ。次回は、さらに深く肩甲骨周りを緩めて、可動域を広げる施術をおすすめします」といった具体的な提案をするようにしました。

Bさんはこのアドバイスを実践。すると、お客様から「そういえば、最近テニスでスマッシュが打ちにくくて困ってたんです!」「先生、そこまで見てくれてるんですね!」といった反応が増え、次回の予約に繋がる確率が飛躍的に向上しました。半年後にはリピート率が85%まで上がり、指名のお客様も増えて、月収も前年比で1.5倍に伸びたそうです。

4. お客様の「感情」に寄り添えていない

私たちは身体を触るプロですが、お客様は身体だけでなく、心も持ち合わせています。身体の不調の裏には、ストレスや不安、疲労といった「感情」が隠れていることがほとんどです。

「辛いですね」「しんどいですね」といった共感の言葉だけでなく、お客様が話してくれることに真剣に耳を傾け、その感情を受け止める姿勢が重要です。お客様は、自分の話を聞いてもらえるだけでも、心が軽くなることがあります。

具体的な行動:

  • カウンセリングや施術中に、お客様の表情や声のトーンから感情を読み取る。
  • お客様が話す内容に相槌を打ち、「そう感じていらっしゃるんですね」と、感情を言葉にして返す。
  • 決して否定せず、お客様の気持ちを尊重する。

5. 施術に「一貫性」と「ストーリー」がない

毎回、お客様の要望に応じて、その場しのぎの施術になっていませんか?お客様の身体の状態は常に変化しますが、セラピストとして「このお客様をどういう状態に導きたいのか」という長期的な視点と、それに沿った施術の「ストーリー」が必要です。

「初回で全体のバランスを整え、2回目で特に気になる部分を深くケアし、3回目で根本改善と再発防止のためのアドバイスをする」といった、お客様自身の身体の変化を実感できるような一貫した計画があることで、お客様は「任せて安心」と感じ、継続して通う理由が生まれます。

今日からできる!お客様満足度を爆上げする3つのアプローチ

これまで見てきた共通点を踏まえ、今日からすぐに実践できる具体的なアプローチを3つご紹介します。これらを意識するだけで、お客様の「気持ちよかった」が「また来たい」に変わっていくはずです。

1. 「なぜ?」を深掘りするカウンセリング術

お客様が「肩こりがひどくて」と言ったら、そこで終わらせず、さらに「なぜ肩こりがひどいと感じるのか」「その肩こりが、お客様の生活にどんな影響を与えているのか」を深掘りしましょう。

  • 「肩こりがひどいと、他にどんな症状が出ますか?」
  • 「肩こりのせいで、困っていることはありますか?(例えば、寝つきが悪い、集中できないなど)」
  • 「これまでに、肩こりに対して何か対策はされてきましたか?」

これらの質問を通じて、お客様の「本当の悩み」や「施術に期待していること」を引き出すことができます。お客様の言葉だけでなく、表情や仕草からも情報を読み取る意識を持つことが大切です。

2. 施術前・中・後に「言語化」を徹底する

あなたが今、お客様の身体に何をしているのか、それがお客様にとってどう良い影響を与えるのかを、常に言語化して伝えましょう。

  • 施術前:「本日は〇〇様のお悩みである肩こりの原因を探り、特に〇〇の筋肉を重点的に緩めることで、首の可動域を広げ、頭痛の軽減を目指します」と、施術の「目的」を明確に伝える。
  • 施術中:「今、肩甲骨のキワにある硬い筋肉をほぐしています。ここが緩むと、腕が上がりやすくなり、姿勢も改善されますよ」と、施術の「意味」と「効果」を伝える。
  • 施術後:「本日の施術で、特に硬かった〇〇の筋肉が緩み、首の可動域が〇〇度改善されました。これにより、お辛かった頭痛も軽減されるかと思います。この状態を維持するために、次回は〇〇の施術で、さらに根本改善を目指しましょう」と、施術の「結果」と「未来」を具体的に提示する。

お客様は、自分の身体で何が起こっているのかを理解することで、施術への信頼感と満足度が格段に上がります。

3. お客様の「感情」に寄り添い、未来を共創する

お客様の身体の不調だけでなく、その不調が引き起こしている「感情」にも寄り添いましょう。「お辛かったですね」「頑張っていらっしゃいますね」といった共感の言葉をかけるだけでも、お客様は安心感を覚えます。

そして、施術後には「この施術を続けることで、〇〇様がどんな未来を手にしたいですか?」と、お客様の「なりたい姿」を一緒に想像し、その実現に向けての具体的なステップを提案しましょう。

  • 「肩こりがなくなったら、どんなことをしたいですか?」
  • 「身体が軽くなったら、仕事やプライベートでどんな良い変化がありそうですか?」

お客様自身が未来を具体的にイメージすることで、「このセラピストと一緒なら、理想の自分になれる」という強い信頼感が生まれ、それがリピートに繋がります。

お客様の「心」と「未来」に寄り添うことが真の満足へ

お客様が満足しない施術の共通点は、表面的な「気持ちよさ」に終始し、お客様の「本当の悩み」や「未来への期待」に深くアプローチできていないことにあります。技術は当然重要ですが、それ以上に、お客様一人ひとりの背景にあるストーリーを理解し、その方の「心」と「未来」に寄り添う姿勢が、真の満足を生み出します。

「気持ちよかった」と言われた時に、「このお客様は、なぜまた来てくれるだろうか?」と一歩深く考える習慣を持つことが、あなたのセラピストとしての成長、そしてお客様からの揺るぎない信頼に繋がるはずです。指名が増え、リピート率が上がれば、自然と月収も上がっていきます。私自身、この気づきを得てから、月収は30万円台から50万円台へと大きく跳ね上がりました。ぜひ、今日から意識してみてください。

今すぐできる3つの一歩

今日からすぐに実践できる具体的な一歩を3つご紹介します。

  1. カウンセリングシートに「この不調がなくなったら、何をしたいですか?」という質問を追加する。 お客様の「未来への期待」を引き出す質問です。
  2. 施術中、意識的に「今、〇〇の筋肉をほぐしています。ここが緩むと、〇〇な効果がありますよ」と声に出して説明する回数を増やす。 施術の「意味」をお客様に伝える練習です。
  3. 施術後、お客様の今日の身体の状態を「数値」や「視覚」で伝える。 例えば「施術前は首の可動域がここまででしたが、今はここまで動くようになりましたね」と実際に動かしてもらったり、鏡で姿勢の変化を見てもらったりするなど、お客様自身が変化を実感できるように工夫する。
皐月 未来
お客様が「気持ちよかった」と言ってくれるのは嬉しいこと。でも、そこで満足してしまってはいけません。その言葉の裏にある、お客様の本当の期待に応えられているか、常に自問自答することが大切です。今日ご紹介した内容は、どれも特別な技術は必要ありません。少しの意識と行動で、あなたのセラピスト人生は大きく変わるはずですよ。応援しています!
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