クレーマーを引き寄せていない?「トラブルを回避するセラピストの立ち回り方」
クレーマーを引き寄せてしまう原因はあるのか?
「またクレームを言われてしまった…」
「自分の技術が悪いのか、それとも接客がダメなのか…?」
「なんだか“クレームを受けやすい人”になってる気がする」
こんなふうに感じたことはありませんか?
セラピストの仕事は、お客様の身体や心に触れる“信頼関係”の上に成り立つものです。
そのぶん、時に理不尽なクレームや、対応に悩むようなトラブルに直面することもあります。
もちろん、すべてのクレームがセラピストのせいではありません。
しかし、「なぜ自分ばかり…」と感じることが多い場合は、無意識のうちに“トラブルを引き寄せやすい対応”をしてしまっている可能性があります。
今回は、クレームを受けやすい人の特徴と、トラブルを未然に防ぐための立ち回り方をお伝えします。
ちょっとした意識の違いで、「嫌な思いをしない働き方」ができるようになります。
クレーマーがターゲットにするセラピストの特徴
すべてのお客様が“クレーマー”になるわけではありません。
ただ、クレームを言いやすいタイプのお客様というのは、相手の“反応”を見て判断していることが多いのです。
では、どんなセラピストが“狙われやすい”のでしょうか?
自信がなく、毅然とした対応ができない
・会話中にオドオドしてしまう
・はっきり説明するのが苦手
・お客様の顔色ばかり気にしてしまう
こうした対応は、「この人には強く言えば通る」と思われてしまう原因になります。
特にクレーム気質のお客様は、“押せば譲ってくれる人”を敏感に見抜きます。
自信のなさがにじみ出てしまうと、不必要に攻撃的なお客様を引き寄せてしまうことがあるのです。
お客様の言うことをすべて受け入れてしまう
・「〇〇して」と言われれば、すべて応じてしまう
・本来NGな要望も断れない
・無理な時間変更や値引きに応じてしまう
こうした“過剰なサービス精神”は、残念ながら一部のお客様に「この人には何を言っても通じる」と思わせてしまいます。
誠実さは大切ですが、必要以上に下手に出てしまうと、逆に信頼感を損なってしまうこともあります。
「クレームが怖い」と思いすぎている
・心の中で「また怒られるかも」と身構えてしまう
・お客様の何気ない一言に過剰反応してしまう
・少しでも違和感があるとビクビクしてしまう
こうした“クレームを恐れる姿勢”は、接客中の空気にも伝わってしまいます。
気づかぬうちにお客様の態度を硬くさせ、「この人なら主導権を取れる」と思わせてしまうのです。
「怒られたくない」ではなく、「丁寧に伝えれば、誤解は防げる」と自信を持つことが大切です。
トラブルを回避するための立ち回り方
クレームを完全になくすことはできませんが、“防ぎやすくする”ことはできます。
ここでは、施術中や接客時にできる3つの立ち回り方をご紹介します。
最初のカウンセリングで期待値を適切に調整する
多くのクレームは、「思っていたのと違った」という“期待のズレ”から生まれます。
・「どのような施術を期待されていますか?」
・「気になる部分はどれくらい前から感じていますか?」
・「今日はどんな変化があると嬉しいですか?」
こうした質問を通じて、お客様の“施術に対する期待”を丁寧に確認しましょう。
そのうえで、
・「一度で完全に改善されるものではないこと」
・「施術後に好転反応が出る可能性があること」
・「施術時間にできる範囲と、できない範囲があること」
などを事前に伝えておくことで、「後から文句を言われる」リスクを大きく減らすことができます。
期待値の調整は、“クレーム予防の第一歩”です。
お客様のクレームを感情的に受け止めず、冷静に対応する
万が一、施術後にクレームが出た場合でも、「感情」で受け止めないことが大切です。
・まずは話を最後まで聞く
・「そう感じさせてしまったこと」に対して共感を示す
・事実と感情を切り分けて整理し、伝えるべきことを落ち着いて説明する
「不満をぶつけられた=自分が悪い」と思い込まず、「どうすれば納得してもらえるか?」に意識を向けましょう。
相手の感情に引っ張られず、冷静な対応ができるセラピストは、それだけで信頼されやすくなります。
「特定のお客様と相性が悪い」と感じたら、適度な距離を取る
すべてのお客様と相性が良い必要はありません。
セラピストとお客様にも“合う・合わない”があります。
・施術中に何度も細かい要求がある
・過度なプライベートな話をされる
・終了後に毎回小言や不満を伝えてくる
こうしたお客様に疲れてしまう場合は、「適切な距離感」を意識しましょう。
・会話は必要最小限にとどめる
・事前にメニューや内容をしっかり確認しておく
・必要があれば、他のスタッフに引き継ぐ提案をする
「すべての人に気に入られようとしない」ことが、自分を守る働き方につながります。
トラブルを未然に防ぐスキルも、セラピストに必要!
セラピストは、施術の技術だけでなく「コミュニケーションのスキル」や「リスク回避の感覚」も求められる仕事です。
・お客様の性格や雰囲気を早めに察知する力
・不満が生まれる前に“ズレ”を修正する説明力
・怒りに巻き込まれず、冷静に対処する対応力
こうした“トラブルを防ぐ力”を身につけることで、心の疲れがぐっと減ります。
「なぜかクレームが多い」と感じている方は、自分を責めるのではなく、“対応の癖”を見直すチャンスだと考えてみてください。
あなたが心地よく働ける環境をつくるために。
今日からできる一歩を、ぜひ意識してみてください。
それだけで、未来のトラブルはグッと減っていきます。