セラピストが続かない…離職率が高い理由と長く働くための方法
セラピストの離職理由TOP5
1. 収入が不安定(施術が入らないと稼げない)
セラピストの給与は「固定給+歩合制」または「完全歩合制」が主流です。特に完全歩合制の職場では、施術の予約がなければ収入ゼロになるリスクが伴います。
また、施術の回数を増やせば稼げる仕組みですが、体力的な負担が大きくなり、無理をすると体を壊してしまうこともあります。施術数を増やさなければ生活が厳しい一方で、働きすぎると体力が持たない——このジレンマに陥るセラピストは少なくありません。
2. 体力的にきつい(腰・手首・指の負担)
リラクゼーションマッサージは肉体労働のため、腰・手首・指に負担がかかりやすい仕事です。
- 腰痛:前かがみの姿勢が続くことで、慢性的な腰痛を引き起こしやすい
- 腱鞘炎:強めの圧を繰り返しかける施術では、指や手首に負担がかかる
- 膝の痛み:和室での施術が多い場合、膝をつく姿勢が続くと痛みが出る
特に施術の力加減やフォームが適切でないと、身体への負担が蓄積し、職業病になってしまうケースもあります。適切なセルフケアや施術の改善をしないと、数年で引退を余儀なくされることも珍しくありません。
3. 休みが少ない&労働時間が長い
セラピストの多くはシフト制で働いていますが、**「希望休が取れない」「繁忙期に休めない」**といった悩みを抱えています。
- 土日祝・年末年始は休めない:お客様が来店しやすい曜日・時期は、基本的に出勤が必須
- 1日の施術時間が長い:施術が詰まっていると休憩時間が確保しづらく、拘束時間が長くなる
- キャンセルが入ると収入が減る:完全歩合制の場合、急なキャンセルで収入が減ってしまう
フリーランスのセラピストは、休むとそのまま収入ゼロになるため、体力が限界でも無理をして働いてしまうことが多いのも実情です。
4. 人間関係のストレス(スタッフ間の競争)
セラピスト業界は指名制や歩合給があるため、スタッフ同士の競争が発生しやすい環境です。
- 指名獲得競争:「あの人ばかり指名が入る」「新人が指名を取るのは難しい」
- 売上ノルマのプレッシャー:「売上が低いと評価が下がる」「目標を達成できないと給料が減る」
- オーナー・店長との相性:「経営方針が合わない」「一部のスタッフだけ優遇される」
職場の人間関係が悪いと、ストレスが溜まり、働くこと自体が苦痛になってしまいます。
5. キャリアの先が見えない(将来のビジョンが描けない)
「この仕事を続けた先に、どんな未来があるのか?」という不安を抱えるセラピストは少なくありません。
- 昇給の仕組みがない:給与がほぼ変わらず、長く働いても収入が伸びない
- キャリアパスがない:施術者としての道しかなく、独立や講師になる選択肢が少ない
- 年齢を重ねると厳しい:体力的な問題や、お客様の指名が減ることへの不安
サロンによっては「店長」「講師」「独立支援」などのキャリアプランがあるところもありますが、現実には「施術を続けるしかない」という状況に不安を感じる人が多いのです。
長く働くための3つのポイント
1. 自分に合った店舗や働き方を選ぶ
給与体系・シフト・施術スタイルの合う職場を選ぶことが、長く働くための第一歩です。
- 完全歩合制より「最低保証+歩合」のサロンを選ぶ
- 自由シフト制の職場を選び、無理なく働ける環境を作る
- 施術の負担が少ないサロン(ストレッチ・オイルメインなど)を選ぶ
転職を考える際は、「何が自分に合っているのか?」を明確にすることが大切です。
2. 体力を維持する工夫をする(セルフケア・施術の技術見直し)
体力を維持するために、施術前後のストレッチやセルフケアを習慣化することが重要です。
- 無理な体勢で施術しない(フォームを見直す)
- 施術後のアイシング・ストレッチを取り入れる
- 指や手首に負担をかけすぎない技術を習得する
長く働くためには、「施術を続けるための身体作り」も欠かせません。
3. キャリアプランを明確にする(独立・講師・指名客獲得)
「この仕事を続けた先に何があるのか?」を考えることも大切です。
- 独立を視野に入れるなら、経営スキルを学ぶ
- 店長・講師などのポジションを目指すなら、指導力を磨く
- 指名客を増やして、安定収入を確保する
目標が明確になると、仕事に対するモチベーションが変わり、離職率も下がります。
辞める前にできることを考えよう
「セラピストは続かない」と思われがちですが、働き方を工夫すれば長く続けることも可能です。
- 環境を変えることで解決できる問題があるかもしれない
- 転職すれば、もっと働きやすい職場が見つかるかもしれない
- 将来のビジョンを持つことで、今の仕事に対する考え方が変わるかもしれない
辞める前に、「どうすれば続けられるか?」を考えてみてください。あなたにとって最適な働き方を見つけることが、長くセラピストを続けるためのカギになるはずです。