「指名が増えるセラピスト」と「増えないセラピスト」の決定的な違い
なぜ、同じ技術なのに指名の差が生まれるのか?
「自分も同じように施術しているのに、なぜあの人ばかり指名が入るんだろう?」
「真面目にやっているつもりなのに、リピーターがつかない…」
現場で働くセラピストの中には、そんなモヤモヤを感じている方も少なくないのではないでしょうか。
実際、同じ研修を受け、同じ技術を使っているはずなのに、指名数に差が出ることはよくあります。
私も新人の頃、「あの人と自分、何が違うんだろう…」と悩んだ時期がありました。
でも、あるとき気づいたんです。
指名が多いセラピストには、「お客様の心をつかむための工夫」が自然と身についていることに。
今回は、指名が増えるセラピストと増えないセラピストの違いについて、現場での実例を交えながらお伝えしていきます。
指名が取れないセラピストの特徴
まずは、なかなか指名が増えないセラピストに共通する“もったいないポイント”から整理してみましょう。
施術中の会話がぎこちない(または無愛想)
お客様との会話に苦手意識があると、沈黙が続いたり、反応が薄かったりしてしまいます。
無愛想とまではいかなくても、「話しかけづらい」「冷たく感じる」と思われると、再来店のハードルが上がってしまうことも。
もちろん無理に盛り上げる必要はありませんが、「安心感」や「親しみやすさ」はとても大切です。
たとえば、施術中に「寒くないですか?」「力加減ちょうどいいですか?」などの一言があるだけで、印象は大きく変わります。
会話の内容よりも、「気にかけてくれる」「リラックスできる」と感じてもらえるかどうかがポイントです。
施術の説明がない(お客様が「何をされているかわからない」状態)
黙って施術をされていると、「今どこを押されてるの?」「この痛みは大丈夫なの?」とお客様が不安に感じることがあります。
特にリラクゼーション初心者のお客様や、初回の方は、施術内容がわからないまま進むと“置いてけぼり”になってしまいがちです。
「今は肩甲骨まわりを緩めていますね」
「腰と足の張りがつながっているので、ここをゆるめると動きが良くなりますよ」
こうしたちょっとした説明があると、お客様の安心感や納得感が高まり、リピートにつながりやすくなります。
特に印象に残らない(他のセラピストと差別化できていない)
施術後に「ありがとうございました〜」と送り出され、次回の予約をするか迷っているお客様がいたとき、
「うーん…誰でもいいかな」と思われてしまうと、リピートにはつながりません。
技術に問題がなくても、“印象に残らない”ことが最大のネックになります。
逆に言えば、「あの人、なんか居心地が良かった」「他の人とは違った」という印象を残せるかどうかが、指名されるかどうかの分かれ道になります。
指名が取れるセラピストがやっていること
では、指名が多いセラピストは何をしているのでしょうか?
技術力だけでなく、お客様との接し方や工夫に共通点があることに気づきます。
「自分の強み」を活かした接客スタイルを作る
指名が多い人ほど、“自分らしさ”を上手に接客に取り入れています。
たとえば、
- 癒し系の雰囲気で、静かに寄り添う接客
- 明るく元気なトーンで、お客様の気分まで明るくする接客
- 専門的な知識を活かし、納得感のある説明が得意な接客
どのスタイルが正解ということではなく、「この人にお願いしたい」と思わせる“自分だけの魅力”を自然に出せているかどうかが大事です。
自分の性格や得意なことを活かすことで、無理なく“記憶に残る存在”になれます。
お客様に「あなたじゃなきゃダメ」と思わせる演出
技術だけでなく、「この人にお願いしたい」と思ってもらうためには、“あなた限定の価値”を伝えることがポイントです。
たとえば、
「今日は肩よりも腰の方が張りが強かったので、次回は腰を重点的に見ていきましょう」
「〇〇さんの体はこういう傾向があるので、施術のリズムは少しゆっくり目にしています」
このように、“その人に合わせた施術”を言葉にして伝えるだけで、「自分のことをちゃんと見てくれている」という印象になります。
こうしたちょっとした一言が、「次もこの人にお願いしたい」という気持ちにつながっていきます。
指名客との関係を強化するフォローメール・LINEの活用
最近では、LINEやサロン専用の予約アプリを通じて、お客様とのやりとりがしやすくなっていますよね。
施術後に、
「本日はご来店ありがとうございました。〇〇の部分、少し張りが強かったので、湯船でしっかり温めてあげてくださいね」
といった一言メッセージを送るだけで、お客様の満足度はグッと上がります。
こうした小さなやりとりが、「この人はちゃんと気にかけてくれている」と感じさせるきっかけになります。
定期的なメッセージやクーポンのお知らせも、押しつけがましくない範囲で活用すると、自然な形で再来店を促すことができます。
今日からできる!指名を増やすための小さな習慣
指名を増やすために、劇的な変化を起こす必要はありません。
むしろ、小さな習慣の積み重ねが、指名数の増加に直結します。
たとえば…
- 施術前後に必ず一つ、お客様に合わせた言葉をかける
- 毎日一人、新規のお客様の名前と特徴をメモして覚える
- 施術内容を簡単に伝える練習をしておく
- 声のトーンや話すスピードを、お客様に合わせて調整してみる
こうしたことを意識するだけでも、印象の残り方は変わります。
そして何より、「また来てくれてありがとう」と心から思える気持ちがあるかどうか。
お客様は、セラピストのその想いを、ちゃんと感じ取っています。
“自分にしかできない接客”を見つけて、今日からひとつずつ実践していきましょう。
指名が取れるセラピストは、「特別な人」ではなく、「積み重ねを続けてきた人」です。