セラピスト業界は将来性がある?今後のトレンドと生き残るための戦略
リラクゼーション業界、これからどうなる?
「このままセラピストとして働き続けて大丈夫だろうか…」
「今は楽しいけど、10年後、20年後にもこの仕事をしていられるのかな」
こんな風に、ふと将来のことが不安になる瞬間はありませんか?
特に業界経験が増えてくるほど、自分のキャリアや収入、働き方について真剣に考えるようになるものです。
実際、私も10年近くこの仕事を続けてきて、何度も「これからどうしよう」と立ち止まったことがあります。
ですが、結論から言えば、リラクゼーション業界にはまだまだ可能性があります。
ただし、今までと同じやり方では生き残るのが難しくなっているのも事実です。
だからこそ今、将来のトレンドを知り、自分に必要な力を身につけていくことが大切です。
リラクゼーション業界の今後のトレンド
まずは、これからリラクゼーション業界がどんな方向に進んでいくのか、大きな流れを見てみましょう。
健康・ウェルネス市場の拡大(需要は増える)
現代は、健康志向・ストレス社会・メンタルケアへの関心が高まっており、「癒し」や「リラクゼーション」に対するニーズは年々高まっています。
実際に、整体やマッサージ、アロマ、ヨガなどを含む「ウェルネス市場」は世界的にも拡大傾向にあり、日本でもその流れは続いています。
単なる疲労回復だけでなく、予防医療的な位置づけでリラクゼーションを取り入れる人が増えてきており、セラピストの役割はより重要になっていくでしょう。
「癒されたい」「身体を整えたい」という需要は、時代が変わってもなくなることはありません。
高齢化社会による「訪問型・介護リラクゼーション」の増加
日本は世界でも類を見ない高齢化社会を迎えています。
今後は、外出が難しい高齢者や要介護者を対象とした訪問型のリラクゼーションサービスが増えていくと考えられます。
特に、国家資格を持っていない民間セラピストでも提供できる「リラクゼーションマッサージ」や「フットケア」などは、介護施設や在宅介護の現場でもニーズが高まっていくはずです。
高齢者への対応には、施術技術に加えて「思いやり」や「安心感」が求められます。
やさしい雰囲気や丁寧な接客ができるセラピストは、今後ますます重宝されるでしょう。
低価格競争が激化(価格よりも「価値」で勝負する時代に)
ここ数年、60分2980円といった格安サロンが増加し、価格競争が激しくなっています。
一方で、安いだけではお客様の満足度が下がってしまったり、セラピストへの負担が増えたりと、持続可能ではないという声も多く聞きます。
今後は「価格」ではなく、「どんな価値を提供できるか」が問われる時代です。
たとえば、「この人の手が安心する」「心まで軽くなる」「自分に合ったアドバイスをくれる」――
そんな“人にしか出せない価値”があるセラピストは、選ばれ続ける存在になっていきます。
セラピストが生き残るための戦略
トレンドを踏まえた上で、これからの時代をしなやかに生き抜くために、セラピストとしてどんな力を身につけておくべきなのか。
具体的な3つの戦略をお伝えします。
技術だけでなく「接客力・カウンセリング力」を強化
「技術がうまければ指名が増える」という時代は、少しずつ変わってきています。
もちろん技術は大前提ですが、それ以上に大切なのが「接客力」や「カウンセリング力」です。
お客様は、「この人なら話を聞いてくれる」「施術中も安心できる」といった“信頼感”を求めています。
初回カウンセリングの丁寧さ、施術中の声かけ、会話の距離感、表情や言葉づかい――
こうした部分がリピートに直結することも多いです。
技術が拮抗する中で、最終的に差をつけるのは“人間力”です。
これからのセラピストは、心に寄り添えるコミュニケーションスキルが求められます。
単価を上げるスキルを身につける(専門技術・高付加価値)
これからは、「回数で稼ぐ」働き方ではなく、「価値で単価を上げる」方向にシフトしていくことが重要です。
たとえば、アロマトリートメントやリンパドレナージュ、妊産婦ケア、スポーツマッサージなど、専門性のある技術を身につけることで、自然と単価を上げやすくなります。
また、ただ施術するだけでなく、食事や生活習慣のアドバイスができるといった“プラスαの知識”があると、信頼度がぐっと上がります。
お客様のニーズは多様化しているので、「自分はどの分野に強いか」「どんな人に喜ばれるか」を意識して、自分だけの武器を磨いていくことが大切です。
将来を見据えて「独立」や「副業」の選択肢も考える
将来的なキャリアを考える上で、独立や副業という選択肢を持っておくことも重要です。
例えば、週の半分はサロン勤務、残りは個人でレンタルサロンや出張施術、副業でオンライン講座や物販を行うなど、働き方はどんどん多様化しています。
一つの職場に依存せず、自分で収入の柱を複数持っておくことで、精神的な安心感も大きくなります。
私自身、現在は現場に立ちながら、今後の独立や副業展開も見据えて準備を進めています。
この業界だからこそ、自分のペースやスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
この仕事が好きなら、未来に向けて準備しよう!
セラピストの仕事は、人を癒し、自分自身も成長できる素晴らしい職業です。
ですが、環境の変化に合わせて、私たち自身も変わっていく必要があります。
業界の将来性を前向きに捉えながら、自分にできることを少しずつ準備していくこと。
それが、安心してこの仕事を続けていくための一歩になります。
変化を恐れず、柔軟に、そしてしなやかに。
あなたらしい働き方を、これからも一緒に見つけていきましょう。