【施術者あるある】「このお客様、クレームを言いそう…」と感じた時の対応
クレームが多いお客様、意外と共通点があります
「入ってすぐから、なんだか空気がピリついてる…」
「会話の端々にトゲがある…」「今日はちょっと気をつけた方がいいかも…」
施術前の時点で、「あ、このお客様はクレームになるかもしれないな」と感じたことはありませんか?
セラピストをしていると、どうしても避けて通れないのが“クレーム対応”。
それがたとえ理不尽な内容だったとしても、現場に立つ私たちが最前線で対応する必要があります。
私自身、何度もクレームに直面し、「どう返すべきだったんだろう…」と反省したことがありました。
でも、ある時から「クレームを言いそうなお客様」には、いくつかの共通点があることに気づきました。
そして、その予兆をうまく読み取って対応することで、クレームを未然に防ぐこともできるようになります。
今回は、「クレームになりやすいお客様の特徴」と「事前に防ぐ方法」、そして「もしもの時の対応法」までを、現場目線でお伝えします。
クレームを言いやすいお客様の特徴
どんなお客様も大切に接するべきですが、特に注意して対応した方がいい「要注意サイン」は存在します。
施術前に細かく注文をつけてくる
「腰はこうして、肩はこの方向で、絶対強めに」など、細かく細かく要望を伝えてくるお客様は、理想の施術が明確な分、少しのズレが気になる傾向があります。
特に初回から細かく指示を出される場合は、理想とのギャップで不満を持たれやすいため、しっかり確認と対応をしておくことが重要です。
施術後に不満げな態度を取る
「ありがとうございました」とこちらが伝えても無言だったり、表情が曇っていたり…。
こうした反応は、その場では言わなくても、後日クレームとして出てくる可能性があります。
退店時の様子があきらかに無表情だったり、足早に帰られる方は、要注意サインのひとつです。
「前回の人はもっと上手だった」と比較する
他のセラピストと比べて、あからさまに評価を伝えてくるお客様も、要注意です。
「前の人の方が良かった」と言われると、こちらも焦ってしまいますが、比較を口にするお客様は、元々満足のハードルが高い傾向があります。
この場合、「誰と比べても満足してもらうのは難しい」こともあるため、適切な距離感を持った対応が求められます。
クレームを事前に防ぐための施術前の対応
クレームを“起きてから対処する”のではなく、“起こさないようにする”ことが、何より大切です。
そのために意識しておきたいのが、施術前のコミュニケーションです。
「最初のヒアリング」を徹底し、好みを確認
最初のカウンセリングで、ただ「どこがつらいですか?」と聞くだけでは不十分です。
「過去に受けた施術で苦手だったことはありますか?」
「圧加減はどのくらいがお好みですか?」
「今日はリラックス重視ですか?しっかりめがいいですか?」
こうした質問をしておくことで、クレームにつながりやすい“ズレ”を減らすことができます。
苦手な施術を避けることができれば、お互いにとって安心材料になります。
施術中に細かく「圧加減」や「快適さ」を確認
施術が始まったあとも、時々「強さは大丈夫ですか?」「寒くないですか?」など、気遣いの声かけを忘れずに。
ポイントは、“こちらが主導で聞く”こと。
お客様の中には、遠慮して言えない方も多くいます。
そのため、こちらから定期的に確認することで、小さな不満を溜めずに済むのです。
声かけは、クレームを防ぐ最初のクッションになります。
お客様の期待値をコントロールする(過度な期待をさせない)
「なんでも治せる」「1回で劇的に変わる」という期待を持たせすぎると、そのぶん満足されなかった時の反動も大きくなります。
たとえば、「今日の状態だと、1回では完全にほぐれきらないかもしれませんが、継続すると楽になりますよ」といったように、現実的な期待値を伝えておくことが重要です。
最初に“できること・できないこと”をしっかり共有しておくことで、トラブルを回避しやすくなります。
クレームになりそうな時の「神対応」
どれだけ気をつけていても、完全にクレームをゼロにすることはできません。
でも、対応の仕方次第で、お客様との関係を立て直すことは可能です。
「お客様の気持ちを共感する」言葉をかける
まず大事なのは、“否定しない”こと。
「そんなことはありません」「私の施術は間違っていません」といった言葉は、火に油を注ぎかねません。
「そうだったんですね」
「違和感を感じさせてしまって申し訳ありません」
「ご不快な思いをさせてしまったようで、心苦しいです」
こうした“共感の言葉”を挟むことで、お客様の感情は少しずつ落ち着いていきます。
人は「分かってくれる人」に対して、態度を和らげるものです。
冷静に「できること」「できないこと」を伝える
共感したうえで、こちらが対応可能な範囲を丁寧に説明します。
「本日できるのはこの施術までになりますが、次回はこういった対応も可能です」
「こちらは資格の関係で対応が難しいですが、代わりに〇〇のケアでアプローチできます」
“無理なことはできませんが、できることは提案する”という姿勢を取ることで、お客様にも誠実さが伝わります。
感情ではなく、事実で話すことがポイントです。
最終的に「満足してもらうための代替案」を提示
クレームを受けて終わり…ではなく、「どうしたら今日の不満を解消できるか」を一緒に考えるスタンスが大切です。
「本日はこの部分に不安を感じられたとのことなので、次回は違う担当者でのご案内も可能です」
「お時間の都合がつけば、次回フォローとして重点的に見させていただきます」
“このまま終わりにしない”という姿勢が、信頼の回復につながります。
対応の丁寧さ次第では、逆にリピーターになってくれるケースもあります。
クレーム対応が上手いセラピストほど、リピーターを増やせる!
クレームは、できれば避けたいものです。
でも、避けてばかりでは、対応力は身につきません。
大切なのは、「相手を理解しようとする姿勢」と「感情に巻き込まれず、誠実に対応する力」。
この2つを持つことで、クレームはただの“トラブル”ではなく、“信頼を得るチャンス”に変わります。
実際に、私が知る指名が多いセラピストの多くは、クレーム対応がとても丁寧で冷静です。
一人ひとりの対応に真摯に向き合い、それを信頼へと変えていっています。
あなたも、少しずつ自分なりの“対応スタイル”を見つけていけば大丈夫です。
クレームが怖くなくなったとき、セラピストとしての大きな自信がきっと手に入るはずです。