リピーターがつくセラピストは、何をしているのか?心理学から学ぶ信頼関係の作り方
リピーターが増えるセラピストの共通点とは?
「一度来てくれたけど、それっきり…」
「指名は悪くないけど、なかなかリピートにつながらない」
「施術には自信があるのに、なぜか常連さんが増えない」
こんな悩みを抱えているセラピストの方、多いのではないでしょうか?
リピーターがつくセラピストには、実は“技術”だけではない共通点があります。
それは、お客様との信頼関係の築き方に“工夫”があるということです。
信頼は、いきなり築けるものではありません。
でも、ある程度“パターン”があります。
心理学の視点からそのパターンを理解し、日々の接客に活かしていくことで、リピートされやすいセラピストに変わることができます。
今回は、リピーター獲得に役立つ心理法則と、それを活かした具体的なアクションをご紹介します。
リピーターがつく心理学的要因
お客様が「またこの人にお願いしたい」と思う背景には、心理学的な要素が多く関わっています。
その中でも、特にセラピストの仕事に活かしやすい3つの法則をピックアップしました。
一貫性の原理(施術のスタイルをブレさせない)
「一貫性の原理」とは、人は“自分の選択に一貫性を持ちたい”という心理です。
初回の施術で「この人、良かった」と思えば、その印象を裏切らないような対応や施術が続くことで、「やっぱりこの人がいい」と思い直し、リピートしやすくなります。
逆に、毎回言うことが変わったり、施術の雰囲気がブレていたりすると、「あれ、なんか前回と違うな…」と不安になり、次に繋がりにくくなります。
“変わらない安心感”は、信頼関係に直結します。
好意の返報性(相手に親切にすると、好意が返ってくる)
「親切にされたから、お返ししたい」
人にはそんな心理が自然と備わっています。
これは接客にも当てはまります。
・ちょっとした気遣い
・丁寧な言葉遣い
・その人に合わせた施術の工夫
こうした小さな“好意”の積み重ねが、「また来よう」「この人に応えたい」という気持ちを引き出します。
ポイントは、「見返りを求めず、自然に行うこと」。
それが本物の“好意”として伝わります。
ザイオンス効果(接触回数が増えるほど、好感度が上がる)
ザイオンス効果とは、「人は何度も会うほど、相手に好感を持つようになる」という心理です。
一度の施術がすごく良かったとしても、その後の接点がまったくなければ、印象は薄れていきます。
でも、「また会った」「また話した」「また施術を受けた」となると、それだけで“親しみ”が増していくのです。
この効果を活かすには、「接触の回数」を意識することが大切です。
・定期的なフォローメッセージ
・次回予約の提案
・SNSなどを通じた“思い出してもらう仕掛け”
これらは、「何度も会う」ことと同じ効果を生み出します。
信頼関係を作るための3つのアクション
では、これらの心理学的効果を実際の現場でどう活かしていけばいいのでしょうか?
今日からできる具体的な行動を3つご紹介します。
前回の施術内容を覚えていて、さりげなく会話に取り入れる
「前回、右肩の張りが強かったですよね」
「今日も足のむくみ気になりますか?」
こうした“覚えていてくれた”という感覚が、お客様の安心感につながります。
カルテを見返すのはもちろんですが、それをただ読み上げるのではなく、会話の中でさりげなく触れることで、「私のことを覚えていてくれた」と感じてもらえます。
この「個別対応感」が、リピーター獲得のカギになります。
お客様に役立つアドバイスをする(セルフケアなど)
施術が終わった後、「家ではこういうケアをしてみてください」と一言添えるだけでも、印象がぐっと変わります。
・ストレッチのやり方
・湯船の入り方
・寝る前のリラックス法
こうした“プラスαのアドバイス”は、「この人は本当に自分の体を考えてくれている」と感じさせ、信頼を深めてくれます。
注意点としては、「専門用語を使わず、シンプルに伝えること」と、「押しつけがましくならないこと」。
あくまで“アドバイス”として、優しく伝えるのがポイントです。
次回の予約を勧める際に、理由を添えて提案する
ただ「また来てくださいね」ではなく、
・「1週間以内だと、今日の施術の効果が続きやすいですよ」
・「今の状態だと、次は2週間後くらいがベストです」
といった“理由付きの提案”をすることで、次回予約への納得感が高まります。
これは“信頼できるプロ”としての印象にもつながり、お客様の心に残りやすくなります。
予約を取る=営業と思われがちですが、「体の状態に合わせて提案すること」は、立派な“ケアの一部”です。
自信を持って、必要な提案をしましょう。
信頼関係を築くことで、自然にリピーターは増えていく!
リピーターを増やすために、特別な技術や派手な営業力は必要ありません。
大切なのは、“小さな信頼の積み重ね”です。
・同じスタイルでブレずに対応する
・お客様に寄り添い、思いやりを持つ
・定期的に思い出してもらう工夫をする
この3つを意識するだけで、信頼関係は確実に育っていきます。
そしてその信頼が、「この人にまたお願いしたい」「この人じゃなきゃダメ」という気持ちを生み、自然なリピーターにつながっていきます。
あなたの“日々のちょっとした工夫”が、未来のお客様との関係をつくります。
自分らしい信頼の築き方を、ぜひ見つけていってください。