「新規のお客様が定着しない…」リピートにつなげるための接客術
「初めて来てくださったお客様、気に入ってくれたと思ったのに、次の予約が入らない…」
「施術後に『気持ちよかった』と言われたのに、それっきり…」
リラクゼーションセラピストとして働いていると、こうした“新規のお客様がリピートにつながらない”悩みに直面することがあります。
私自身、サロン勤務の初期には「どうすればもう一度来てもらえるんだろう?」と何度も考え込みました。けれど、いろいろな経験を経て見えてきたのは、リピートされるかどうかは“技術力”だけでは決まらないということです。
もちろん施術の質も大切ですが、それと同じくらい重要なのが「接客術」。特に初回のお客様には、施術前から施術後、そしてその後のフォローまで、トータルで満足していただけるような“接客の設計”が必要です。
この記事では、これまでに私自身が実践してきた「新規のお客様をリピーターに変えるための接客術」を具体的にお伝えします。リピート率を上げたいセラピストの方、ぜひ参考にしてみてください。
新規のお客様がリピートしない理由
まずは、新規のお客様が“もう一度来よう”と思わなかった背景を知ることから始めましょう。
① 施術に満足はしても、次回の提案がなかった
施術自体には満足していても、「このまま通えば良くなっていく」というイメージが持てなかった場合、お客様は“その場かぎりの体験”として終えてしまいます。
「また来たいな」と思っていても、忙しさに流されたり、優先順位が下がったりして忘れてしまうことも多いのです。
次回の提案や来店ペースの目安がないと、お客様は「いつ行けばいいかわからない」となり、結果的にフェードアウトしてしまいます。
② 施術後にフォローがなく、「また来たい」と思えなかった
初回のお客様は、施術が終わった瞬間もまだ“緊張状態”にあります。そこできちんとしたフォローがあるかどうかで、印象は大きく変わります。
「ありがとうございました」だけで終わってしまうのではなく、施術内容の説明や体の変化、アフターケアのアドバイスなどを伝えることで、「ちゃんと見てもらえた」と実感していただけます。
この“満足の上書き”がないと、たとえ施術が良くても記憶に残りづらく、リピートにはつながりません。
③ サロンの雰囲気や接客が期待と違った
口コミやホームページを見て来店されたお客様は、ある程度の“期待”を持って来られます。その期待に対して、サロンの清潔感、空間づくり、セラピストの印象などが合致しなければ、「思ってたのと違う」となってしまうことも。
特に初回のお客様は、細かいところまで無意識にチェックしているものです。「挨拶がなかった」「空間が寒かった」「待たされた」など、ちょっとした違和感が理由で次回につながらないこともあります。
リピート率を上げるための接客のコツ
では、どうすれば初回のお客様に「また来たい!」と思っていただけるのか。私が実践してきた、リピート率アップにつながる接客術をご紹介します。
① 施術後に「次回の来店が重要な理由」を伝える
一度で完璧に改善することは難しいことを、しっかりお伝えすることが大切です。
「今日の施術でかなり緩みましたが、根本的な改善にはもう少し継続的なケアが必要です。次回は1〜2週間以内がベストですよ」と、理由を添えて次回の目安を伝えることで、来店の“必要性”を感じてもらえます。
ここで大事なのは、「売り込み」にならないように伝えること。お客様の体にとって本当に必要な提案であることを、誠実に伝える姿勢が信頼につながります。
② お客様の悩みに合わせた「継続ケアの提案」を行う
一人ひとりの悩みに合わせたアドバイスは、「自分だけを見てくれている」という安心感につながります。
たとえば、「腰の張りが強かったので、次回は腰を中心に重点的にやっていくと良さそうですね」とか、「足の冷えがあるので、オイルトリートメントを加えるのもおすすめです」など、具体的に提案することで、次回の施術への期待感を持っていただけます。
提案の際は、お客様が迷わないように「どのメニューで、どのくらいの頻度で」といった目安を提示するのがコツです。
③ お礼メールやLINEを活用してフォローアップする
施術後に「今日はありがとうございました」と一通のメッセージを送るだけで、印象は大きく変わります。
特に個人サロンやフリーで活動している方は、LINEやメールを活用したフォローアップが有効です。「その後、お身体の調子はいかがですか?」という一言だけでも、「気にかけてくれてるんだな」と感じてもらえます。
この一手間が、他のサロンとの差をつくる要素になります。
次回予約を取るための自然な声かけ
お客様にとって「予約を入れる」という行動は、少しハードルがあります。だからこそ、“自然な流れ”で声かけすることがポイントです。
① 「今日の施術でスッキリしましたか?次回は○○のケアを強化しましょう」
施術後のフィードバックと次回の提案をセットにして伝えると、違和感なく次の話につなげられます。
「だいぶ緩みましたね。次はもう少し奥の筋肉にもアプローチしていくと、より持ちが良くなりますよ」と伝えることで、「また来た方がよさそう」と自然に思っていただけます。
② 「今後も調子を整えるために、○週間後くらいがベストですよ」
「おすすめの来店タイミング」を伝えるだけでも、次回の予約を入れるきっかけになります。
「2〜3週間以内にもう一度ほぐすと、今日の効果がしっかり定着しますよ」と具体的に伝えることで、タイミングの目安がわかり、お客様も行動に移しやすくなります。
③ 「次回のご予約を入れると、お得な特典がありますよ」
特典やキャンペーンを活用するのもひとつの方法です。たとえば、「次回の予約を今日入れていただくと、10分延長がつきます」といったサービスは、次回予約の後押しになります。
ただし、“お得だから来る”だけでなく、“必要だから来る”という導線づくりを意識することが大切です。
「新規のお客様をリピーターに変える接客を意識しよう!」
リピート率を上げるために必要なのは、「気持ちの良い接客」と「体の変化」だけではありません。お客様が「また来る理由」を見つけられるように、提案・フォロー・声かけを通じて自然に導いていくことがとても重要です。
新規のお客様は、あなたの施術がどんなものなのか、どんな人なのかを“観察”しています。その観察が「また会いたい」「また来たい」につながるように、技術だけでなく、全体の流れやコミュニケーションを意識してみてください。
今日から少しだけ、“次につなげる一言”を意識してみましょう。その積み重ねが、リピート率アップという大きな成果につながっていきます。
あなたの施術を、もっと多くの人に届けられるよう、心を込めて向き合っていきましょう。
