「思ってたのと違う…」お客様の期待を適切に管理する方法|ミライサロン

「思ってたのと違う…」お客様の期待を適切に管理する方法

「今日は肩こりがひどくて…」と来店されたお客様。しっかり丁寧に施術して、体の反応も良好。それなのに、帰り際に言われたひと言が「思ってたより、ちょっと物足りなかったかも」。

こうした経験、リラクゼーションセラピストなら誰でも一度はあるのではないでしょうか。私自身も、駆け出しのころはよく「期待されていたものと違ったのかな…」と、悩んだものでした。

けれど今になって思うのは、「施術が悪かった」のではなく、「お客様の期待とのズレ」が原因だった、ということ。つまり、満足度を左右するのは“技術力”だけではなく、“期待値の管理”にあるということです。

今回は、10年の現場経験を通して見えてきた「お客様の期待を上手にコントロールするための考え方と具体的な工夫」をご紹介します。施術の満足度を高めたい、リピート率を上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

期待値と実際の施術のズレが生まれる理由

「こんなはずじゃなかった…」と感じさせてしまうのには、いくつかの原因があります。いずれも、セラピスト側が少し意識することで防ぐことができます。

① お客様の体の状態と、求めている結果が一致しない

お客様の多くは、「1回の施術でラクになりたい」と願って来店されます。でも実際には、何年も積み重なった筋肉のこわばりや姿勢のクセが一度で改善されることは、ほとんどありません。

たとえば、慢性的な肩こりや頭痛を抱えている方に対して、60分で全てを取り除くのは難しいのが現実。ですが、その現実をお客様が知らないまま受けてしまうと、「思ったほど変化がなかった」という印象になってしまうのです。

② 施術の効果が一度で完全に出ると思われてしまう

「前に受けた〇〇サロンは1回でスッキリした」とか「口コミで“神の手”って書いてあったから来ました」など、かなり高い期待を持って来られるケースもあります。

もちろん嬉しいことですが、期待が大きすぎるほど、ほんの少しでも思い通りにいかなかったときに“ガッカリ”が大きくなるものです。

期待値が高くなること自体は悪くありません。問題は、「どこまでが現実的か」を事前に共有できていないことです。

③ お客様がネットや口コミで得た情報と施術が異なる

最近は、YouTubeやSNSなどで施術動画やセルフケア情報が簡単に手に入るようになりました。そのため、「こうやってやるのが正解なんでしょ?」という先入観を持って来店される方も少なくありません。

実際にはその方の体に合った施術をしているにも関わらず、「思ってたのと違う」という印象を持たれてしまう。ここにも“期待とのズレ”が潜んでいます。

期待値をコントロールするための3つの方法

では、どうすればお客様の期待を上手にコントロールできるのでしょうか?実際の現場で私が意識している、3つのポイントをご紹介します。

① 最初のカウンセリングで、施術の目的を明確にする

来店時のカウンセリングは、ただ体の状態を聞くだけではありません。「お客様がどんな状態を“ゴール”と考えているか」をすり合わせる場でもあります。

たとえば、「肩こりをラクにしたい」という要望に対して、「今日は表面の筋肉をしっかりゆるめて、深部は次回以降のケアになります」とあらかじめ伝えておく。これだけで、「一度で完全に良くなる」という誤解を防げます。

お客様の期待が現実から大きく離れていないかを確認しながら、今できる施術と、継続的なケアの必要性を丁寧に伝えることがポイントです。

② 施術前に、「今日の施術でどこまで変化が出るか」を伝える

施術に入る前には、「本日行う内容」と「想定される効果の範囲」をできるだけ具体的に伝えるようにしています。

たとえば、「今日は腰のハリが強いので、深く押すと少し痛みが出る可能性があります。ただし、深部までじっくりアプローチすることで、終わった後に軽さを感じやすくなりますよ」といったように。

こうすることで、お客様は「これは想定内の変化なんだな」と安心し、期待とのズレが生まれにくくなります。

③ 施術後に、継続的なケアが必要なことを説明する

施術が終わったあとは、「どれくらい状態が変わったか」だけでなく、「これからどうすればもっと改善していけるか」を伝えることが大切です。

「筋肉の深い部分に硬さがあるので、3回ほど継続してケアするのがおすすめです」とか「次は1週間以内に来られると、より効果が定着しますよ」など、今後のプランを提案することで、“期待のゴール”を長期的に捉えてもらうことができます。

期待を超えるための工夫

単に“ズレを防ぐ”だけでなく、お客様の期待を“良い意味で裏切る”ことができれば、満足度は一気に高まります。ここでは、私が日々実践している「期待を超える工夫」をご紹介します。

① プラスαのサービス(簡単なストレッチ指導など)を加える

施術後に、その方の体に合わせた簡単なストレッチをお伝えするだけで、「こんなことまでしてくれるんだ」と感じていただけることがあります。

数分のアドバイスでも、お客様にとっては「自分のことをちゃんと見てくれている」と感じる大切な時間になります。

② お客様の悩みに対して、長期的なケアプランを提案する

一度の施術で結果を出すことも大事ですが、「この人に任せたい」と思ってもらうためには、先の見通しを立ててあげることも効果的です。

「次回はここに重点的にアプローチして、3回目では姿勢全体を整えるプランにしてみましょう」といった中期的な提案をすることで、信頼感がグッと高まります。

③ お客様の反応を見ながら、施術内容を柔軟に調整する

最初の要望が「肩こり」だったとしても、施術中の反応や会話の中で「実は腰も辛い」ということが分かることもあります。

そんなときは、メニューにとらわれすぎず、施術内容を微調整する柔軟さが求められます。お客様は「自分の状態に合わせて対応してくれた」と感じると、期待以上の満足を得てくださいます。

「期待値を適切に管理することで、満足度とリピート率がUPする!」

技術力があるのに、お客様に「なんとなく物足りなかった」と思われてしまう——これはとてももったいないことです。

施術の結果だけではなく、「どう感じたか」「期待と結果が一致したか」が満足度には大きく影響します。

だからこそ、施術前・中・後のコミュニケーションで、お客様の期待値をうまく整えていくことが大切です。そして、少しでもその期待を超えるような“プラスα”の工夫ができれば、お客様は自然とリピーターになってくれるはずです。

お客様との信頼関係を育みながら、満足度の高い施術を提供していく——それが、セラピストとしてのやりがいにもつながっていくと私は思います。

無理なく、自分らしく。あなたなりのスタイルで、ぜひ実践してみてくださいね。

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