「セラピストは話し上手じゃないとダメ?」会話が苦手な人でもできる接客術
セラピストは話し上手じゃないとダメ?そんなことはありません!
「施術中、何を話せばいいかわからない…」
「会話が続かず、無言の時間が気まずい…」
「お客様の反応が薄いと、不安になってしまう…」
そんな風に感じながら、日々施術をしているセラピストの方はいませんか?
“セラピスト=会話がうまい人”というイメージがあるかもしれませんが、実際には「おしゃべりが得意じゃない」セラピストもたくさんいます。
むしろ、話しすぎず“落ち着いた空気感”を好むお客様も多く、「無理に会話しないほうが心地よい」と感じてもらえるケースも少なくありません。
私自身、会話が得意な方ではなく、はじめのころは「しゃべれない自分は向いてないのでは…」と悩んだこともありました。
でも、話すのが得意でなくても、相手に安心感を与える“接客術”はちゃんとあります。
今回は、「会話が苦手でも大丈夫」と思えるような接客のコツと、お客様との気まずさを減らすための工夫をご紹介します。
会話が苦手なセラピストが抱える悩み
話し上手ではないセラピストが感じやすい不安やストレスには、いくつか共通点があります。
何を話せばいいのかわからない
最初のあいさつのあと、何を話せばいいか分からず、会話が止まってしまう。
そんな場面、経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
・天気の話はもうしたし…
・趣味の話題を出しても広がらない…
・沈黙が長くなると、自分に原因がある気がして焦る…
特に初対面のお客様や、反応が薄いタイプの方だと、会話の糸口が見つからずに困ってしまうこともあります。
無言の時間が気まずい
「無言=気まずい」と感じるのは、話し手である自分自身の方かもしれません。
でも、必ずしもお客様が「しゃべってほしい」と思っているとは限りません。
とはいえ、沈黙が続くと、「この空気、なんとかしたい…」という焦りが出てきますよね。
その焦りから、無理に話題を振ってしまい、かえって会話が不自然になる…ということも起こりがちです。
お客様の反応が薄いと、不安になる
話しかけてもあまり返答がなかったり、反応が薄かったりすると、「私、嫌われてるのかな…」と感じてしまうことがあります。
でも、そうしたお客様の中には、“ただ静かに過ごしたい”“リラックスしたい”という方も多くいらっしゃいます。
相手の反応が薄いのは、会話が苦痛なのではなく「静かにしていたい時間」だからかもしれません。
その気持ちに気づけると、会話のプレッシャーは少しずつ軽くなっていきます。
会話が苦手な人でもできる接客術
“話し上手”でなくても、印象の良い接客はできます。
ここでは、会話に自信がなくても取り入れやすい3つの接客術を紹介します。
話すより、聞くことを意識する
会話が苦手な人ほど、“うまく話さなきゃ”と思いがちですが、大切なのは“話す”より“聞く”ことです。
お客様に話題を振ってもらったり、何かを話してくれたときに、丁寧に耳を傾けることの方が印象に残りやすいです。
・「そうなんですね」
・「それは大変でしたね」
・「よく眠れましたか?」
といった、共感を込めた相槌があるだけで、お客様は「この人はちゃんと聞いてくれてる」と感じます。
聞き役に徹することで、無理に話す必要がなくなり、会話がぐっとラクになります。
お客様の話題に合わせた簡単なリアクションを覚える
話題を広げようと頑張る必要はありません。
シンプルなリアクションで“自然な受け答え”ができるだけで、印象はぐっと良くなります。
たとえば…
お客様:「最近、肩こりがひどくて…」
セラピスト:「そうなんですね。お仕事、忙しいんですか?」
お客様:「昨日まで旅行に行ってたんです」
セラピスト:「いいですね!どこに行かれたんですか?」
このように、“話の最後のキーワード”を拾って返すことで、自然な会話が生まれます。
難しい話題や深い知識はいりません。
「興味を持って聞いていますよ」という姿勢を伝えることが、何より大切です。
施術に関する説明を自然に会話に取り入れる
無理に雑談を続けるのが苦手な方には、施術中の動きや体の状態に触れながらの会話がおすすめです。
・「肩の張り、けっこう強めですね。お仕事、パソコン作業多いですか?」
・「今日は足が少し冷えてますね。最近、冷えを感じますか?」
・「ここ、少しゴリゴリしてますけど、痛くないですか?」
こうした会話は、施術の流れとつながっているので不自然さがなく、さらに“専門的な安心感”を与えることもできます。
「お客様の体をちゃんと見てくれている」という信頼感にもつながりやすく、一石二鳥の接客術です。
無理に話さなくてもOK!大切なのは「心地よい空間」を作ること
会話が上手な人が指名されるわけではありません。
お客様が求めているのは、「楽しいおしゃべり」ではなく、「心地よい時間」や「安心できる空気感」です。
つまり、大切なのは「うまく話すこと」よりも、「安心して過ごせる空間をつくること」。
・声のトーンが穏やか
・動きが丁寧
・気配りが自然
・無言の時間も静かで心地よい
こうした印象の積み重ねが、「またこの人にお願いしたい」に変わっていきます。
会話に自信がなくても、表情・所作・雰囲気づくりを意識することで、十分に信頼されるセラピストになれます。
“話さなきゃ”というプレッシャーを手放して、あなたらしい接客スタイルを見つけていきましょう。
会話が苦手でも、「この人といると落ち着く」と思ってもらえれば、それが最高の接客です。